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引退と隣合わせの切り札 “ピンチヒッター” (1/2ページ)
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1試合にあるか、ないかの出番を待つ“代打稼業”。勝敗の行方を決める試合終盤の好機に使われる選手は、文字通りの「切り札」だ。セ・リーグ開幕から28日で1カ月。いま、巨人を除くセ・リーグ5球団は、かつて主力打者だったチームの生え抜きがこの役割を担う。阪神・桧山、中日・立浪、ヤクルト・真中…。「引退」の2文字と隣り合わせのベテランの背中は、若い選手に勝負の厳しさを語りかける。(田中充)
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甲子園で「代打・桧山」がコールされると、超満員のスタンドから大きな声援が沸く。“暗黒時代”からタテジマ一筋17年目の38歳。野球協約に定められた減額制限(25%)を超える2500万円減の年俸4000万円で迎えた今季は、後がないが、練習では大粒の汗を流してバットを振り込んでいる。
背中で見せられる選手になる−。いま、桧山はそう誓っている。「どんな一流打者でも10回に7回は失敗する。大事なのは、失敗を次にどうつなげるか。そのために、何をしなければいけないかを見せたい」
試合前の打撃練習では試合よりも投手に近い位置に立つ。体感速度が増した状態で打つのは1打席で結果を出すためだ。かつて「代打の神様」と呼ばれた八木裕氏の方法をまねたもの。代打でも腐ることなく、球団の代打本塁打記録(13本)を達成した先輩の背中から、自らも学んだ。
桧山がレギュラーを外れたのは2006年。だが、代打3年目を迎えても気持ちは切れない。試合中はベンチで試合の流れを読み、出番に備えてベンチ裏で素振りを繰り返す。開幕から1カ月が経過したが、打率は4割。高い集中力で若手の手本になり、好調なチームの支えになっている。