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【スポーツコラム】清水満のSPORTS PLUS+ ヤンチャでお茶目な堀内氏
久々の笑顔がよかった。ニュースで流れた巨人V9時代のエース、堀内恒夫氏(60)が野球殿堂入り。暗いイメージが残っ監督時代(2004〜05年)、2年間、3、5位では仕方がない。
現役時代はすごかった。その代名詞といえば大きく縦に割れるカーブ。小欄がまだ中学生のころ、「甲府商にすごいピッチャーがいる」と聞いて見に行ったことがある。マウンドから放たれた球の軌跡は右打者に当たりそうな勢いで向かう。思わず右打者が仰け反っているのに、ボールは外角いっぱいに決まる。高校卒業して新人年でいきなり16勝2敗、防御率1・39、その武器はプロでも立派に通用した。
通算203勝139敗6S。殿堂入りの栄誉を得たが、よく晩年はぼやいていた。ドラフト1期生の“損”−。
「おれの前の年、自由競争で上尾の山崎(裕之)さんなんか、契約金5000万円といわれた時代だぜ。おれの時、一律契約金は1000万円に抑えられちゃってよ。ったくツイてねぇよ」
しかも新人から13年連続して2けた勝利を挙げながら、給料はあまり上がらなかった。「確かに隔年で波があったよ。たとえば17勝のあと14勝、16勝と…。いまなら十分に安定性で絶対に上がるだろっ。なのに当時の巨人ではダウン…。給料は抑えられたね」。実働18年、最高年俸はコーチ料込みで1800万円だったとか。
お金の話を持ち出したが、決してケチではない。宵越しの金は持たないというか、豪快に遊んでいた。「何せ門限破りばっかで、よく寮長(故・武宮敏明氏)に殴られたっけ…」。気っぷもいい。「伝統は伝えなきゃ…」と若い選手の面倒もよく見た。ジャイアンツを愛した。昔かたぎな選手だけに財を残すことがなかったが、1つ“自慢”がある。東京・杉並の自宅である。
「おれん家はよ、環7の大通りにちゃんと標識があるんだ。“堀ノ内”ってね。ソレが目印さ。ミスター(長嶋茂雄氏)や王さんとこだってねぇだろうに…」。こう言って笑ったことがある。こんなヤンチャぶり、お茶目な選手、最近はいなくなりました。(編集委員)