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【秋山仁のこんなところにも数学が】(89)最も輝くダイヤのカット法 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:科学・数学
いま、鉛筆を走らせて原稿を書いていますが、ボキボキ折れる鉛筆の芯(しん)の主成分の黒鉛(石墨)は、純粋な炭素から成る鉱物で、ダイヤモンドと全く同じ成分です。同じ材料でも、生成されるときに超高圧がかかって結晶密度が高くなると女性があこがれるダイヤモンドになり、そうでないと鉛筆になって私の手元で忙しく使われることになります。そう考えると、この鉛筆に温かい言葉の一つでもかけてあげたくなります。
さて、「ダイヤモンドの価値は4Cで決まる」と言われます。4つのCとは、大きさを表すカラット(carat)、色のグレードを示すカラー(color)、傷や不純物による透明度を示すクラリティー(clarity)、そしてダイヤを美しく見せるために施されたカット(cut)のことです。これら4Cの中で数学が活躍するのがカットです。
ダイヤのカットは大昔から行われていましたが、最も美しく見せるための最適なカット法をダイヤの屈折率などに基づき、数学的に分析して導いた人物がいます。20世紀前半に活躍したアントワープの職人マルセル・トルコフスキーです。彼は、ダイヤモンドの加工と売買を家業とする家に生まれ、ベルギーの大学を卒業後、ロンドン大学のインぺリア・カレッジで工学を学びました。1919年に出版した『ダイヤモンドのデザイン』という本の中で、最適なカット“トルコフスキーのラウンド・ブリリアンカット”=図1=を紹介し、なぜそれが最適なのかを発表しました。
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