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【正論】アルコール依存の怖さ侮るな 精神科医、国際医療福祉大学教授・和田秀樹 (1/3ページ)

2009.6.18 03:34
このニュースのトピックスメンタルヘルス

「よくある話」で済まぬ

 最近、酒にからんだ有名人の失態がマスコミを騒がせることが多い。若者に人気のタレントが泥酔して公然わいせつ容疑で逮捕され大きなスキャンダルとなった。私も精神科医としてこの騒動についてコメントを求められることが何件かあった。その際の重要な見落としを尊敬する精神科医から指摘された。これを深く受け止めて自戒の意味も込め、その見落としについて書いてみたい。

 それは、こうした酒の上での失態の場合、本人はもちろん周りにいる人たちを含めてどのように対処すべきかということである。日本人はともすると、酒にまつわる失敗には甘いところが見られる。今回のタレントの事件でも、酒の席ではよくある失敗としての同情論が少なくなかった。

 私が言いたいのは、処罰が不十分であるということではなく、われわれ精神科医の目から見て、こうした状態になれば、治療開始、あるいは断酒も必要だということである。

 確かに、今回のタレントには周囲に気をつけてくれる人がたくさんいるだろう。本人の反省の意思も強く、職を失いたくないという動機づけもあるだろうから、これ以上の問題を起こさないですむ可能性は小さくないだろう。しかし、もしも一般の人がマスコミ報道を通じて、この程度のことは酒の上での失敗でよくある話と思ってしまうことは、非常に危険な誤解なのだ。

深刻な心の病招くことも

 強調したいのは、今回のような問題を起こした人が周囲にいた場合、あるいは自分がそうした失敗を起こした場合には、既に治療が必要なレベルに達し、アルコール依存症との診断を受ける可能性が大きいということである。このくらいでアルコール依存症なのかと思われるかもしれないが、それは日本というより国際的な基準に準じた診断である。

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