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【竹内薫の科学・時事放談】萌える物理学 まじめ人間・竹内薫の危機!? (1/2ページ)
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ここのところ科学系の書籍売り場に異変が起きている。なんと、数学や化学の副読本が「萌(も)え系」になっているのだ。すでに中年の域に達し、当初は「萌え」なる概念がいかなるものか、理解できなかった私だが、周囲にいる若い人たちに教えてもらっているうちに、なんとなく「こういうものを指すのか」と、少しわかるようになった。
1年ほど前になるが、さる硬派の出版社から「萌え系の物理学の副読本を書いてくれ」と依頼がきて、びっくり仰天した。まず、どうして物理学を「萌え」で学ばなくてはいけないのかが理解できなかったし、当時はまだ、私自身が「萌え」なる感覚を理解していなかったからだ。
よほど断ろうかと思ったが、小説が全然売れず、メディアミックスによる展開もできずに苦しんでいた私は「小説がダメなら物理学でメディアミックスしてみてもいいのではないか」と思うようになった。
そこで、小説書きで培った技術を応用し、(文筆稼業の弟子である)妻の助けも借りて、ねこの耳をもつ少女とふつうの少年の恋愛劇を量子論とミックスさせた奇抜なストーリーを完成させたのだった。
できあがった小説自体は出版されないが、その小説をもとにマンガ家がセリフを抜き出して、ラフを描いてくれた。その段階で、記述や絵に科学的な見地から誤りがないかどうかチェックして、ゴーサインを出した。さすがに量子論をマンガにするのは大変らしく、それなりにまじめな説明のためのイラストなども描いてもらわないといけないので、マンガが完成するまでに半年くらいかかった。
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