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クロマグロ消える!? 100年後水温3度上昇→稚魚死滅 (1/2ページ)
沖縄南方の海域で産卵・孵化(ふか)するクロマグロの稚魚が、海水温が現在のペースで上昇を続けると育たなくなる可能性があることを、東京大学海洋研究所の研究チーム(木村伸吾教授)が突き止めた。気象庁は、日本近海の水面温度は今後約100年で平均2〜3度上がると予測しており、予測どおりだと稚魚の大半が死滅し、現在の産卵場では卵の孵化率も低下するという。“海のダイヤ”と呼ばれ、世界中で人気が高まっているクロマグロだけに、研究結果に注目が集まりそうだ。(今泉有美子)
クロマグロは太平洋に広く分布し、日本人にもなじみの深い「クロマグロ」と、地中海や大西洋に広く分布する「タイセイヨウクロマグロ」に分類される。研究で死滅の恐れが心配されているのは太平洋に分布するクロマグロだ。
研究チームは、産卵直後のクロマグロの卵を採取。水温ごとにグループ分けして、成長を観察した。
現在の海水温と同じ26度の環境では、3日以上経過しても7割近くの稚魚が生きていたのに対し、29度では1日で半数が死滅。2日以上経過すると、ほとんどの稚魚が死滅した。
卵の孵化率にも温度が大きく影響していることが分かった。26度から28度の間では、ほぼ100%孵化したが、29度では約8割、30度では約7割、31度では約半数しか孵化しなかった。
今後100年で日本近海の水面温度が2〜3度上昇すれば、クロマグロの稚魚が育たない環境になる恐れがある。研究チームが稚魚を調べたところ、高温で育った稚魚は、体を構成するタンパク質に異常なものが多く生成された可能性があり、それが死滅の一因になったとみられる。
孵化率についても、木村教授は「クロマグロの稚魚はただでさえ外敵などの危険が多く、ほとんどの個体が孵化するのが望ましい。孵化率の低下は、個体数に大きな影響を与えるだろう」と指摘する。