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【ノーベル化学賞】「何の価値もない物質」が…生命科学に革命的進展 (1/3ページ)
ノーベル化学賞に輝いた発光生物学者の下村脩博士は米国で約40年前、オワンクラゲから緑色蛍光タンパク質(GFP)を発見した。美しいだけが取りえだったこの物質は、細胞を生きたままの状態で観察するための“標識”として広く使われるようになり、生命科学研究に革命的な進展をもたらした。その独創性と先見性は国際的に高く評価され、最高の栄誉につながった。(長内洋介)
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オワンクラゲは、おわん形の傘(直径10〜20センチ)の縁が緑色に光る。そこから抽出したのがGFPだ。蛍光タンパク質のほとんどは、タンパク質と他の発光化合物との複合体だが、GFPはタンパク質だけで自ら発光する。このため遺伝子工学を利用すれば、生体内で作り出せるのが最大の特徴だ。
下村博士が発見した当初は「何の価値もない物質だった」。しかし、遺伝子工学が進歩した1990年代に入って、基礎医学や生物学の分野で一斉に応用研究が始まり、世界的な注目を集めるようになった。
病気の原因となっているタンパク質など、生体内で調べたい物質の遺伝子に、GFPの遺伝子を融合させると、GFPが放つ緑色の蛍光が目印になり、目的のタンパク質が細胞内のどこに存在し、どのように運ばれるのかといった挙動が、一目で分かるからだ。
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