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【科学】台風の直接観測実験 「渦中」のデータ 進路予測へ 迷走の13号で初の試み (1/2ページ)
日本列島が本格的な台風シーズンを迎える中で、気象庁は先月、航空機を使って台風の動きを直接とらえる初の観測実験を行った。台風の渦に観測器を投下し、進路を正確に予測する試みだ。予報精度の向上につながれば、「迷走台風」の行き先を見極めることができるかもしれない。(長内洋介)
カギ握る「転向」
台風は最大風速が17メートルを超える非常に強い熱帯低気圧のこと。海面水温が26度以上の北半球の赤道付近で生まれ、水蒸気をエネルギー源に発達する。米国に大きな被害をもたらすハリケーンやインド洋などで猛威を振るうサイクロンも、台風と同じ現象だ。
地球の自転の影響で、北半球で移動する物体は進行方向に対して右方向に働く「コリオリの力」を受ける。右向きの力を受けながら中心に引き込まれていく台風の気流は、「反時計回り」に渦を巻く。
赤道付近で生まれた台風は貿易風で西へ運ばれ、太平洋高気圧の縁に沿って北上する。高気圧の縁が急カーブを描く台湾付近で急に東に向きを変え、日本列島に接近していく。
「転向」と呼ばれるこの方向転換が、いつ、どこで起きるかを正確に予測することが進路予報のカギを握る。転向場所が少しでもはずれると、日本付近の通過コースは大きく変わってしまうからだ。
気象庁は地上や人工衛星などの観測データを使って、大気の状態をコンピューターで予測する「数値予報」を基に天気予報を発表している。数値予報は高気圧などスケールのより大きい現象に適しているうえ、海上のデータは少ないので、台風は十分にとらえきれないのが実情という。
予報のツボ
こうした問題を克服しようと、気象庁が実施したのが台風の直接観測だ。ドイツ航空宇宙センターの気象観測機をチャーターして9月11日、台湾付近を迷走していた台風13号に接近。高度約1万メートルから計36個の観測器をパラシュートで投下し、気温や気圧、湿度、風などを観測した。
また、予備機の気象衛星「ひまわり7号」や、気象観測船などによる集中観測も同時に実施。これらのデータを数値予報に盛り込んだ場合と、通常の予報結果を比較する。15号でも同様の観測を行った。



