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【特報 追う・2008年回顧】順調な出足アウトレット 仙台2施設
■レジャー型か足もとの強さか
東北の中心都市、仙台の郊外では今年、2つの大型アウトレットモールがオープンした。ブランド感性の高さや購買力の高さ、開発の余地の大きさなどが評価されている仙台のマーケット。だが、ここに来て景気が大きく後退するなど先行きは不透明になってきた。仙台に、宮城に、そして東北に期待を込めて進出してきた新規参入組はどのような手応えを感じながら年末を過ごしているのだろう。(豊吉広英)
9月12日に仙台港後背地でオープンした「三井アウトレットパーク仙台港」。「プレオープンを含めた最初の6日間で20万人のお客さまに来ていただいた。最初の1カ月は想定以上。現状も想定ラインを上回っている」と話すのは同所を運営する三井不動産東北支店の菅野学主事。車で90分圏内に設定した商圏人口は 300万人と、同社が運営するアウトレットモールの中で一番小さいため、当初は社内で不安の声も上がったというが、出足は上々のようだ。
一方、仙台港のオープンから1カ月後の10月16日、泉区にオープンした「仙台泉プレミアム・アウトレット」も事前の想定通りの売り上げや来場者を記録しているという。加藤健太副支配人は「非常にいい感触。景気減速の影響で11月初旬は下降傾向も見られたが、同月後半の3連休からボーナス前が大変良かった」と手応えを口にする。
両施設とも経済情勢が悪化する中、仙台の経済に大きなインパクトを与えたようだ。
仙台の経済界に詳しい経営コンサルタントの高橋和夫氏によると、8月23日オープンの仙台パルコの影響もあり、仙台市内のデパートでは9〜11月にかけ、売り上げを大きく落としたところが目立ったという。「影響自体は現在はやや落ち着いたが、客の流れは変わっている」。高橋氏はこう分析する。
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好スタートの要因はなんだったのだろうか。
仙台港の菅野主事は、「駐車場には当初の想定より、福島ナンバーの車が目立つ」という。「東北自動車道から仙台南部道路ですぐ、というアクセスのよさが影響したのではないか」。福島からの想定以上の来場者は底上げに貢献しているようだ。
ファミリー層の来場も予想以上だった。小さい子供の来場を想定し、貸し出し用ベビーカーを多数準備していたが、休祝日には全部貸し出されることがたびたびあったため、現在は増車して対応。結果的に子供用品の売り上げも好調だという。
高橋氏は「仙台港は観覧車やイベントスペース、フードコートなどを備えた観光レジャー型施設。来年以降も周辺には新しい施設ができることもあり、レジャー面の強みが、より出てくるのでは」と推測する。
一方の仙台泉。ここは、おひざ元の高級住宅地「泉パークタウン」の存在が大きなアドバンテージとなっている。加藤副支配人は「散歩がてらに寄られたり、ご近所の会話が交わされたりするパークタウンの住民の方々が、平日を中心に来場している」と“足もと”の強さを強調する。また、隣接商業施設「タピオ」やロイヤルパークホテルなどとの連携による相乗効果も出ているという。
高橋氏は仙台泉について「今後は東京エレクトロンやセントラル自動車など、宮城に進出する企業の従業員の利用なども見込まれる。仙台北部の郊外型ショップの中心的存在になるのでは」としている。
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まずは順調な船出の両施設。しかし、不安要素もある。
「思いのほか買い物袋を持たず帰宅されるお客さまが見受けられた」と菅野主事。もともと東北の消費者は首都圏に比べ購買力が弱いとされる。実際、両施設とも来客者1人あたりの購入額は他地域の施設に比べ低い。景気低迷に伴い、購買意欲が低下するなか、新設の施設に「新しいもの見たさ」で飛びついた消費者はどう動くのか。
さらに、来年は仙台三越や藤崎など、中心部のデパートが増床を予定しており、中心市街地の巻き返しが予想される。
ただ、この点は両施設とも「共存共栄」を強調する。「仙台自体のマーケットの吸引力が強くなればいい」と加藤副支配人。高橋氏は「不況の色が濃いとはいえ、仙台のマーケットは依然将来有望。せっかく郊外にできた商業施設が人を呼んでいるのだから、仙台の商業関係者は、郊外と中心部で客が回遊するような魅力的な都市作りをすることが必要」と話している。
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■仙台中心部では…
2大アウトレットに先駆け、8月23日に仙台駅前にオープンした仙台パルコ。同店は「不況感や、それに伴う状況の悪化に加え、仙台マーケットは大型商業施設が増加して競合状況も厳しくなっているが、まずまずスムーズな滑り出しだと認識している」という。高橋氏は「パルコのオープンで、8月以降は中心部の利用者は駅前に流れており、一部を除き周辺の商業施設にも好影響を与えた」とする一方、「想定以上にターゲットの若い年代は購買力がなかったようなのが気がかり」としている。