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【特報 追う】公園は高齢者の“遊び場”? 健康遊具の設置促進 仙台市

2008.4.27 02:19

 公園は子供の遊び場−。そんな常識が通用しなくなっている。少子高齢化の影響で、子供に代わって高齢者が公園で遊ぶ姿が目立ち始めている。この流れを逃すまいと、仙台市は高齢者の公園利用を推進。老朽化した子供用の遊具に代わり、高齢者用の遊具、「健康遊具」の設置を進めている。仙台市の取り組みを見た。(荒船清太)

 小雨降る平日の午前7時ごろ、仙台市宮城野区鶴ケ谷の鶴ケ谷中央公園で、白いジャージー姿の近くに住む自営業、千葉誉さん(64)が健康遊具で運動を始めていた。

 「フゥ、フゥ」。額にうっすら汗が滲む。地面から伸びたバネの上に斜めに板を渡した健康遊具「ジャンピングボード」の上を跳びはねて、足腰鍛錬の真っ最中だ。「普段動かさない筋肉を動かすから、いい運動になるんだよ」という。

 毎日午前6時に起床して、顔を洗って1時間ほど散歩。帰宅後はテレビを見ながら朝食、同9時ごろには出勤する。最近、散歩の合間に健康遊具での運動が日課に加わった。

 早朝に運動するようになって10年以上。きっかけは気になり始めたおなか回り“メタボ”だった。「女房と2人暮らしだから、頼る若者は家にはいない。病気になっても介護に頼ることもできないし、結局、自分で健康ヲ維持して病気にならないようにするしかない」という。

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 仙台市によると、市内の65歳以上の高齢者だけで住む「高齢者世帯」は平成16年4月に5万5605世帯だったのが、20年4月には6万9424世帯に2割増。市内の世帯の約16%を占めるまでになっている。

 市高齢企画課在宅支援係の佐々木浩主任(39)は「高齢者を支える若者のいない世帯が増えたことで、高齢者の健康維持が課題になっている。医療費の抑制などを考えると、病気の予防がより大事。健康遊具はその対策の一環」と背景を説明する。

 子供用の遊具が老朽化して交換時期に近づいていることも後押しする。市公園課建設係の佐々木亮係長(44)は「子供が多かった団地も高齢化が進み、公園に対するニーズも変わってきている」という。

 市は、厚生労働省の交付金を得て、3月には市内19カ所に79の健康遊具を設置。今年度もさらに10カ所に設置していく方針だ。

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 だが、まだ認知度は低い。朝に千葉さんと別れてから小1時間経っても、結局、千葉さん以外に健康遊具を使う人は現れなかった。利用が少ないのは健康遊具が今年設置された同市青葉区国見ケ丘の国見ケ丘2号緑地でも同じだ。

 毎週火曜日、市民センターの紹介で入ったサークルでノルディックウオーキングをしながら緑地の横を通るという同区中山台の主婦、太田きよ子さん(62)は、「健康遊具があるなんて、きょう花見をするまで気づかなかった。市民センターが教えてくれれば」と話す。

 佐々木主任は「市民センターに来るような健康サークルへの広報は進めている。それより市民センターなどに運動に来ない高齢者が増えている印象があるのが少し気になる」と別の視点からの課題を挙げる。

 公園遊具メーカー「みぞい」(仙台市宮城野区)の溝井敏男社長(58)も「昔は公園にゲートボール場作るのが流行ったけど、今は個人用の健康遊具などにメーカーもシフトしつつある」とその傾向を裏付ける。

 千葉さんも市民センターに行かないひとり。「団塊世代はこだわりが強い。それぞれの体力にあわせた運動をするなら個人運動がいい」と健康遊具の利点を強調する。ただ、千葉さんのように健康遊具を「たまたま見つけられた」人はまだ少ない。「こだわりのある方にこそ、手軽で身近な健康遊具を」(佐々木主任)。お年寄りを呼び込むのはまだ道半ばのようだ。

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【用語解説】広がる健康遊具

 国土交通省によると、平成16年の全国の都市公園での健康遊具設置数は9618基で、10年の5690基から7割増。子供用など遊具全体の伸び率が同年比で1割増にとどまっているのに比べ際立っている。「少子高齢化を1つの背景にして増えている」(同省)という。

 仙台市内に設置された主な遊具は、T字型の鉄棒を両手でつかんで下半身だけ左右に反復横跳びする「ワクワクステップ」、バーに捕まりながら回る円盤に乗って体をひねる「ツイストボード」など。説明なしでもすぐにでき、高齢者以外でも使える。

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