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【特報 追う】GPSで「津波」キャッチ 最新鋭システム…住民避難に威力 (2/3ページ)
同整備局が16年に東北大と共同で実施した「宮城県沖地震」を想定した津波のシミュレーションで、GPS波浪計の効果を検討したところ、陸地に到達する22分前に潮位変動を観測する結果が出た。
地震による津波の場合、気象庁が津波警報や津波注意報を出す。震源や地震の規模などから計算し、津波の到達予想時刻、高さも発表する。
こうした情報にGPS波浪計のデータを活用する協議が国土交通省と気象庁の間で行われている。今年度中には最初に設置された2基のデータが反映される見通しで、そこで初めて「本格運用」(同整備局)となる。気象庁は「沖合にあるので沿岸の検潮所より早く津波の観測が期待できる。どのような内容の情報となるかは検討中」と観測体制の充実を歓迎するが、「沖合での観測より早く津波警報が出る。この段階で避難してほしい」と訴える。
だが津波の場合、この避難が問題だ。津波では自治体の避難指示・勧告に対し、住民の避難率が低い。例をあげると、19年1月13日に千島列島東方沖を震源とするマグニチュード(M)8.2の大規模な地震が発生。気象庁から津波警報、津波注意報が出され、北海道、岩手県、和歌山県の25市町村で避難勧告が発令された。この際の住民の避難状況を総務省消防庁が調査したところ、約11万4000人の勧告対象者のうち避難所に避難したのは 7.9%(約9000人)にすぎなかった。
「津波は到達まで時間的余裕があり、人的被害を軽減できる。避難率が低いのが大きな課題だが、避難しないのは情報が足りず、信頼性が十分でないからだ。いつまでに避難すればいいのかといった住民の視点に立った情報が必要だ」
東北大大学院工学研究科付属災害制御研究センターの今村文彦教授は住民を避難行動へと向かわせるため、情報の質の向上を提言する。今村教授は同整備局が設置したGPS波浪計を活用した津波防災情報連絡協議会のメンバー。「自治体が的確な避難指示・勧告を出せる情報、住民の避難に役立つより具体的な情報を提供できるようにしたい」という。