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【特報 追う】アイドル駅長が救世主? IGRいわて銀河鉄道

2008.9.20 03:03

 □奥中山高原駅のマロンちゃん

 岩手県一戸町のIGRいわて銀河鉄道・奥中山高原駅に、通勤・通学客のアイドル的存在のワンちゃんがいる。ヨークシャーテリアのマロンちゃん(オス、7歳)だ。6月の同駅名誉駅長就任以来、同社のホームページなどを通じて広く知られるようになり、夏休みには全国各地から観光客が訪れた。同社は第3セクター鉄道としては健闘しているが、本年度は厳しい経営を強いられているだけに、関係者はマロンちゃんの“誘客効果”に期待をかけている。(石川裕司)

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 マロンちゃんが奥中山高原駅の名誉駅長になるきっかけを作ったのは、飼い主の本木ヨコさん(65)。平成13年の秋、生後間もないマロンちゃんは同駅の駅員を委託されていた本木さんの元に譲り受けられ、以来、自宅でも、駅でも、本木さんのそばにいつも寄り添うようになった。小さくて愛らしいしぐさをみせるマロンちゃんはすぐに、通勤・通学客の人気者になった。同駅近くには、県立子どもの森や障害者通園施設などもあり、遠足に訪れる園児・児童や障害者にとってもマロンちゃんは心を和ませる存在となった。

 すっかり地元のアイドルとなったマロンちゃんに、IGRも着目。照井崇社長が名誉駅長への就任を要請し、6月24日に同駅で盛大に就任式が行われた。

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 マロンちゃんの“勤務時間”は、ストレスに配慮して、原則毎週火、木、日曜日の午後1時から3時まで。勤務中は会社が用意した特注の帽子と駅員の制服を身に着け、改札口の脇にちょこんと“正座”。利用客が来ると本木さんに知らせ、電車が到着するたびに本木さんと一緒に乗降客の送り迎えをするのが主な仕事だ。「生まれて間もないころから駅にいるので、ホームに出ても黄色い線の内側には絶対入らない」と本木さん。

 勤務日以外でも、本木さんが休みの日を除いて一緒に出勤しているため、マロンちゃんにめぐり会える機会は多い。午前6時半ごろ、本木さんの自転車のかごに乗って自宅を出、午後5時すぎに帰宅するのがマロンちゃんの日課で、駅に滞在している時間は長い。

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 IGRはマロンちゃんの勤務日をホームページで公開している。全国放送のテレビ番組で紹介されたこともあって、今年の7、8月には多くの愛犬家や家族連れが同駅を訪れた。「遠い人は沖縄、宮崎などから見えられた。首都圏を中心に多い日は一日で約50人が入れ替わり、立ち替わりでマロンに会いに来ました」と本木さんも驚くほどだった。

 同社総務部広報・企画担当の長坂真理子さんは「ホームページのアクセス数は1日500件以上。マロンに会いに来た人からはがきやファンレターも届いています。マロンを通じてIGRを知ってもらえて、とてもうれしい」と笑顔をみせる。

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 動物駅長というと、和歌山県の和歌山鉄道貴志駅の三毛猫の「たま」ちゃんが有名。昨年1月に就任以来、テレビの旅番組などで取り上げられ脚光を浴びているが、マロンちゃんの人気もいまや“全国区”に迫っており負けてはいない。

 本木さんによると、マロンちゃんは未熟児で生まれたせいか、現在の体長は約30センチ、体重1・6キロで、兄弟のほぼ半分の大きさだ。2、3年前には歯が抜けたり、花粉症のような症状にかかったことがあったが、いまは健康上これといった不安材料は見あたらないという。

 長坂さんは「地元の人や犬好きの人のアイドルで、大事にされており、いつまでも名誉駅長を続けてほしい」とマロンちゃんに期待している。

 本木さんは「食が細いのがやや気になるが、私もマロンも健康管理を徹底して、できるだけ長く一緒に務めていたい」と、愛犬とともに駅を守り抜く覚悟だ。

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【用語解説】IGRいわて銀河鉄道

 東北新幹線八戸延伸に伴い、並行する在来線(東北線)がJR東日本の経営から切り離され、県などの出資で設立された第3セクター鉄道会社。平成14年12月1日開業。運行区間は盛岡−青森県・目時駅間82キロで、目時−八戸駅間は第3セクターの青い森鉄道が運行している。駅数は17駅で、奥中山高原駅は盛岡から10駅目。1日あたりの乗降客は413人(19年度)。開業以来、乗降人員は減少傾向だが、コスト削減などで17−19年度は黒字を計上。しかし20年度は路線を併用しているJRの寝台夜行列車の減便により、赤字が見込まれている。

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