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岩手で震度6強 不安1カ月…恐怖再び

2008.7.25 02:48

 こんどは岩手、青森を中心とする広い地域を真夜中の地震が襲った。岩手県沿岸北部を震源とし、最大で震度6強の強い揺れを観測した24日未明の地震。幸い各県警には24日夜までに、死亡や行方不明などの重大な被害情報は入っていない。しかし岩手・宮城内陸地震の傷が癒えていない東北地方には、十分すぎるほどの衝撃と恐怖が走った。

  ■岩手県

 岩手県は地震発生直後に達増拓也知事を本部長とする災害対策本部を設置し、被害の情報収集に追われた。達増知事は午前の記者会見で「人命が危機に陥っていないかを確認するのが最優先。死者や行方不明者の報告は受けていないが、予断を持たずに初動の緊急対応に全力を尽くす」と、被害確認を確実かつ早急に実施する考えを示した。

 また「岩手・宮城内陸地震の衝撃がまだ残っているときに、県内の広範囲が再び大きな地震の被害に遭い、県民の驚きは大きなものだと思う。けがをした人や被害を受けた皆さんにお見舞い申し上げたい」と述べた。

 県警によると、午後4時半現在、県内の負傷者は57人で、うち11人が重傷。死者の報告はないという。

 ライフラインへの被害は岩手・宮城内陸地震より少なく、断水は岩泉町の尼額地区127戸、二升石地区74戸、宮古市と久慈市、川井村で各40戸で生じたが、いずれも午前中に復旧。停電も花巻、遠野、岩泉の3市町で計2658戸であったが、朝にはすべて復旧した。

 道路は、一関市厳美町の国道342号(仮設道路)と野田村の県道安家玉川線が土砂崩れ、田野畑村の県道岩泉平井賀普代線は落石のため、全面通行止めとなっている。

 建物被害は、住宅の一部損壊が久慈市や洋野町など6市町で17戸あったが、全半壊の報告は入っていない。

 震源から西へ約20キロに位置し、震度5強を記録した二戸市。同市内で設計会社を営む沖野覚さんは「鉄筋コンクリートの自宅がギシギシいった。でも、揺れが大きかった割には被害が少ない。市内の県営住宅を回ったが、大丈夫そうだった」と話していた。

 震度6強を観測した洋野町の入浴施設「アグリパークおおさわ」も、大浴場のガラス1枚が破損し食器類も壊れたが「休業はしない」という。

  ■青森県

 青森県は震度6以上を観測した地震の発生と同時に三村申吾知事を本部長とする災害対策本部を設置。未明から私服姿の職員が険しい表情で次々と登庁、情報収集と被害状況の確認に追われた。

 午前2時10分に同本部の1回目の会議が開かれ、三村知事が被害状況の把握と対策に万全を期すよう各部、県警、教育庁に指示するとともに、同2時45分、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。また、三村知事は特に被害が集中した八戸市や階上町、五戸町の被害状況を視察するため午前7時、慌ただしく県庁を後にした。

 同本部の“前線基地”県防災消防課には刻々と被害情報が入った。ある職員は「今のところ大きな被害の報告は入っていない。このまま推移してくれれば…」と祈るような表情で話し、関係機関との連絡に走り回っていた。

 午後2時すぎからは4回目の同本部会議が開かれ、三村知事は視察をふまえ「発生が深夜であったがゆえに大きな人的被害を出さずにすんでいる。引き続き連携を密にし、被害状況の把握とともに警戒対策に万全を期してほしい」と指示した。

 同課のまとめ(午後5時半現在)では、負傷者は57人でこのうち14人は重傷。公共施設では小中高校計92校と9医療機関、9社会福祉施設などで壁にひびが入るなどの被害が出たほか、八戸市公会堂ではホールの天井が約60平方メートルにわたって崩れ落ちた。公会堂では25日から全日本吹奏楽コンクール県大会が開かれる予定だったが、急遽(きゅうきょ)27日から青森市文化会館に場所を移して行うことになった。

 八戸市南郷区では471戸が断水し、給水車が対応に当たっている。また、同市では2142戸が停電したが復旧した。三沢市や南部町などで商工施設87件が被害を受けた。

 道路関係は十和田湖観光ルートの奥入瀬渓流沿いの国道102号は、落石のため2カ所で通行止めとなっている。

  ■宮城県

 宮城県は地震発生と同時に県庁内に、三浦秀一副知事を本部長とする特別警戒本部を設置。職員が被害情報の収集にあたった。

 「一番恐れたのは、岩手・宮城内陸地震で大きな被害を受けた栗原市の被害」(危機対策課)。午前中、各地から被害の報告が入ってきたが、“不幸中の幸い”にも栗原市での再被害の情報はなかった。

 県のまとめでは、人的被害は、骨折するなどの重傷が仙台市で1人、岩沼市で1人の計2人、また軽傷は石巻市6人、美里町2人、登米市2人、大崎市で1人の計11人。

 住宅被害は登米市と気仙沼市で一部損壊が計10棟。本吉町では炭焼き小屋1軒が全焼する火災があった。登米市は断水と停電になったが朝までに復旧した。

 県内での人的被害拡大の恐れがないことなどから、県は午前中で特別警戒本部を解除。栗原地域については大雨警報が出され、土砂災害の恐れがあるため、警戒にあたった。

 またこの日、県・仙台市の教員採用試験が行われたが、地震による公共交通機関の遅れを考慮し、県教委は開始時間を1時間繰り下げた。3287人の受験者のうち遅刻者は6人にとどまり県教委は「最小限の混乱に抑えられた」としている。

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