MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

【特報 追う】農村に“天空のサバンナ” 岩手サファリパークに地元「期待」

2008.3.8 03:23
このニュースのトピックス鎌倉・湘南

 宮城県に接する岩手県最南端の藤沢町に今月下旬、「岩手サファリパーク」がオープンする。同町は借金残高が予算の3倍を超える深刻な財政状況。誘客が期待できる施設の進出に、畠山博町長は「新たな雇用の場、経済波及効果が期待できる」と歓迎している。(石川裕司)

 岩手サファリパークを開設するのは、福島県二本松市でサファリパークを経営する「東北サファリパーク」(熊久保勅夫(ときお)社長)。同社は栃木県那須町でも那須サファリパークを運営しており、岩手サファリパークは3カ所目の施設となる。

 開設地は、藤沢町黄海地区にある国営農地開発事業の造成地の一部12・3ヘクタール。シカ、ウシ類などの草食動物を中心に36種類、605頭を集めたサファリパークと、28種類、68頭のサルを集めた「世界のモンキーセンター」を整備する。

 サファリパークは、広大な草原に草食動物を放し飼いにし、マイカーやバスで周遊して観賞。ライオン、トラ、ヒョウなどの肉食動物は檻(おり)で飼育し、これも見学できる。

 モンキーセンターにはチンパンジー、イノシシなどが芸を披露する「サル劇場」、リスザルやキツネザルなどと触れ合える「サルふれあい広場」を設け、60羽のフラミンゴによるショーも行う予定だ。

 熊久保社長は「多くは草原のサバンナに棲んでいる動物。標高200メートルのこの地なら、アフリカの草原を再現したような本格的な『天空のサバンナ』を形成できる」と話す。

                   ◇

 同社が藤沢町への進出を決めたのは昨年5月。年間4000万〜5000万円という動物のエサの牧草を確保するため、熊久保社長らが同町を訪れていて、地元から持ちかけられたのがきっかけだ。

 サファリパークの用地は、熊久保社長が地元農業者らと設立した「藤沢ふれあい牧場」が県農業公社から購入。パークはふれあい牧場から牧草を全量買い取るほか、放牧料を支払う形で事業提携する。牧場が取得した12・3ヘクタールのうち、約3ヘクタールで動物のエサとなる粗飼料を栽培、約7ヘクタールを放し飼いの草地として活用する計画。

 農地がサファリパークに利用されるケースは異例だが、同町産業振興課の今藤優主幹は「観光施設ではなく放牧地であり、草地の肥培管理をしっかり行えば問題ないと判断した。動物が草を食い荒らし、草地と認められない場合は指導する。公害防止協定を締結し、動物が逃げ出さないよう安全管理の徹底も求める」としている。

                   ◇

 岩手サファリパークの立地をだれよりも歓迎しているのは畠山町長。「町にとって大変明るい話題。藤沢の地を選んでくれた英断に感謝している」と笑みがこぼれる。

 藤沢町の平成20年度一般会計当初予算案は約48億円。だが借金残高は約152億円(18年度末)にのぼる。17年に近隣9市町村が合併して新「一関市」が誕生する際、財政難を理由に合併に加われなかった経緯がある。

 借金の原因の一つが昭和57年に始まった国営農地開発事業の償還だ。約400ヘクタールの農地やダム、農道などを整備する事業が予定より7年延び平成10年に終了したが、事業費が当初の132億円から約4倍の511億円に増大。これにともない町負担も65億円に増えたためだ。しかし肝心の造成農地は、いまも100ヘクタール以上売れ残っている。

 農業以外に主だった産業がなく、町の活性化が最大の課題だけに、畠山町長は「新たな雇用の場、課題だった都市と農村との交流が生まれ、経済波及効果が期待できる。来園者向けに地元農産品やオリジナルアイテムも検討したい」と夢を膨らませている。

                   ◇

【用語解説】岩手サファリパーク

 動物の「群れ・行動・生態」を間近で探検できる施設−をコンセプトに、昨年8月に建設に着手し、今月20日めどにオープンの予定。「藤沢館ケ森天空のサバンナ」に世界のウシ、シカ、ヒツジ、ヤギ類を中心に約70種類700頭羽の動物を放し飼いにする。当初投資額は動物の購入費や輸送費などを含め、約4億円の見込み。従業員は51人で38人を地元から採用。365日の通年営業で、初年度の入場者数は20万人を見込んでいる。

[PR]
[PR]
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。