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春高バレー 常勝校に肉薄する大迫

2008.2.6 03:15

 岩手県立大迫(おおはさま)高校男子バレーボール部は最近、とみに実力を上げてきた。同高は各学年2クラス、新年度の募集は1クラスと、高校としては小規模で、部員数も少ないが、県大会ではコンスタントに上位進出を果たしている。なぜだろう。素朴な疑問を抱きながら、同高や関係者のもとへ足を運んだ。(土樋靖人)

 一昨年の全国高校バレーボール選抜優勝大会(春高バレー)県予選で、大迫高男子は決勝までこまを進めた。昨年は準決勝で涙をのんだ。昨年11月に開かれた新人戦でも順調に勝ち上がり、ベスト4に入った。

 このとき、出場したメンバーは6人。交代選手はおらず、コートサイドのベンチには岩舩裕道監督が1人腰掛けて、選手たちの動きを見つめていた。メンバー表をみると、最も背が高い選手で173センチと、ずば抜けて大きい選手がいるわけでもない。それでも、倍以上の部員がいる、背丈もあるチームを連破していった。

 観戦していると、選手たちはバレーボールのつぼを心得ているなとの印象を持った。準決勝で不来方高に敗れたが、すがすがしさが胸に残った。

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 平成12年から6年間、大迫高男子を率いた山形守平さん(50)は「経験が豊富で、(強くなる)下地はある。バレーボールの偏差値は高いよ」と同高の選手たちを評価する。

 選手たちがバレーボールを始めるのは大迫中学校で。男子は東北大会に10年連続出場中の、県下では有数の強豪校だ。6年から同中で指導にかかわり、14年からは校務員としても勤めている北村義剛さん(49)は「当たり前のことを当たり前にできるよう、基本を徹底的に鍛えている」と語る。目指すのは全員でつなぐバレー。少人数(現在の男子部員数は19人で、例年より多い)なので、全員がレギュラーとしての経験を有して卒業していくという。

 ただ、大迫中からは盛岡や花巻市中心部の高校へ進む子供が多い。「頂点を目指す子は外に出る」(山形さん)傾向があり、バレーボール部の主力も盛岡南高や不来方高などの強豪校に進学していく。従って、大迫高には、もともと少ない選手がさらに減って入ってくるという厳しい現実がある。

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 山形さんから監督を引き継いだ岩舩さん。選手層の厚い他校をみると、「うらやましい」とは思う。だが、監督に課せられているのはいまいる選手たちをどう鍛え、あきらめず挑戦させるか。「目が届く。1人ひとりに的確な指導ができる」のは、逆に少人数ゆえの長所だ。

 プレーでは、予測して動くことを強調。速いコンビバレーで相手の力を分散させることをねらっている。「ブロックに当たれば、軟攻のボールが来る」との考えで、記者が取材で訪れた際は、相手コートにマットを立てて、スパイクを当てさせ、返ってきたボールを拾って切り返す練習を繰り返していた。普段できない総合的な練習は土日の練習試合で補っている。

 「同じ保育所、同じ小学校、中学校に通った仲間」(阿部開主将)で、気心が知れた選手同士。チームワークが悪くなろうはずがない。少ない人数も「それが当たり前。どうなるものでもない」と苦にしていない。

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 県外遠征のときは、保護者の車で向かう。こんなところも少人数の利点。山形さんも「選手の人数が多いときは町の業者がバスを安く貸してくれた。保護者以外の、選手に直接関係ない人たちも応援に来る」と地域の“熱さ”を打ち明ける。大迫高は、花巻市大迫地区で唯一の高校。バレー部は「おらがまちのチーム」なのだろう。

 県予選は8日開幕する。大迫高男子はシードされ、2回戦からの登場。野球部からの助っ人1人を加え、地域の期待を背に受けて、進撃する。

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 ■岩手県の高校男子バレーボール事情 春高バレー県予選では平成元年の第20回以降、盛岡南か不来方が優勝。インターハイ県予選も同年以降、両校のいずれかが制していたが、17年に盛岡一、19年に花巻東が全国大会出場を果たしており、2強独占の様相は変わりつつある。大迫は14年と18年にインターハイ県予選、18年には春高バレー県予選でも決勝へこまを進めており、全国大会出場へあと一歩と迫っている。

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