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【特報 追う】警察署再編、治安は大丈夫? 福島県警、メリット強調も住民不安
福島県警が平成22年からの実施をめどに進めている警察署再編が波紋を広げている。再編対象とされた地域から、地元警察署の存続を求める声が続出。県警は5月から再編対象地域で公聴会を開催し「再編のメリットはデメリットを大きく上回る」と地域の理解を求めているが、住民の不安は根強い。(小野田雄一)
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県警は3月、「警察署再編に関する基本構想」を作成し、会津や県北、県中地域など5地域の計15署を9署に統廃合する方針を示した。構想通り実施されれば、県内の警察署数は現在の28署から22署に減る。
5月19日に本宮市で公聴会が開かれた。同市の本宮署は「本宮、二本松(二本松市)、郡山北(郡山市)の3署を2署にする」とする構想の対象だ。
県警側の説明が終わり質疑応答に入ると住民から「再編しなくても、人員配置を工夫すれば対応できるのでは」「署が分庁舎に縮小されれば、いずれは交番や駐在所にまで縮小されるのではないか」−などの質問が続出。さらには「本宮署が存続できる希望はまだあるのか」との悲観的な質問もあった。
県警教養課の平野亨課長は「再編の具体案はまだ検討中」と答えるにとどまった。
住民が同署の存続に悲観的なのには理由がある。本宮署は3署の中間にある上、建物の老朽化がもっとも深刻。こうしたことから“本宮署は廃止される可能性が高い”との懸念を多くの人が抱えているのだ。
4月19日には佐藤嘉重市長をトップとする「警察署存続期成同盟会」の総決起集会が開催され、約900人の住民らが参加。同会が集めた署の存続を望む署名は、管内住民の約75%を占める3万673人分にのぼった。
公聴会に出席したある男性(62)は「結論ありきの感が否めない」と不信感を口にした。
同じく防犯協会地区長の男性(75)は「メリットばかりが強調されていて信じがたい。そんなに良いことならなぜ今までやらなかったのか」と疑問を投げかける。
県警は再編に伴うメリットとして、交番・駐在所の充実▽パトロール時間の増加▽犯罪・事故発生率の減少▽検挙率向上−などを列挙。半面、デメリットは、許認可業務の一部取り扱い不可だけだ。
県警の折笠寛総務監は「再編でマイナス面は出てこない。いま再編を進めているのは、市町村合併が一段落ついたから。平成12年から再編を検討しており、突然というわけではない」と強調する。
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説得が困難になっている理由として、折笠総務監は「治安状況や犯罪・事故の発生件数と、警察署の有無との因果関係が明確な数字で出ないこと」を挙げた。
ただ「すでに再編をした他県警では『パトロール回数が増えた』『交番本来の仕事が可能になった』など良い結果が出ている」という。すでに警察署の統廃合を行った秋田県警が再編効果を検証したリポートは「地域住民の反響はおおむね好意的で、警察官やパトカーをよく見かけるようになったとの声が多い」と総括。18年に再編を行った宮城県警も「再編前後で、犯罪・事故の発生件数の激変や治安悪化などの報告はない」としている。
「地域の理解を得られるまで、何度でも公聴会を行う」と話す折笠総務監。県警は今年度中に具体的な統廃合案を示す方針だが、住民の理解を得るには、もっと具体的な説明材料が必要になりそうだ。
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■警察署再編の動き 全国的に警察署の再編が進められており、平成15年4月から今年4月までに、25府県で計137署が68署に統廃合された。東北では、青森、秋田、宮城の3県が再編を終えた。
再編の大きな理由は(1)市町村合併に伴い生じた行政区域と警察署管轄区域のズレ、人口の偏在化、犯罪の広域化などに対応する(2)通信網や交通網の発達で、警察署を分散配置させておく必要性が従来ほどなくなった−の2点。
福島県警は再編メリットとして、事件・事故への対応能力が低い小規模署(職員50人未満)を統廃合すれば、警察官やパトカーなどの装備が集中化・効率化され対応能力が向上する▽大きな事案の発生時にも、地域に常駐するべき駐在所・交番の警察官が駆り出され不在になることが減り、パトロールなど本来的な業務が充実する▽廃止する署を分庁舎とすることで、署と分庁舎の弾力的な運用が可能になる−を挙げている。一方、デメリットは、探偵業・警備業などの一部の許認可業務が、分庁舎で取り扱えなくなること。