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【春の褒章・福島】紅綬褒章 人命救助 渡部茂さん(58)
■炎の中、隣人背負い外へ
平成18年9月20日午前3時すぎ、ぐっすり寝入っていたところを妻の道子さん(57)に起こされた。「隣の奥さんが呼んでる」。「まさか足の不自由なご主人に何かあったのか」と外に飛び出ると、隣家が炎上していた。中に入るとご主人がうつぶせで倒れていた。炎と煙の中、背負って外に連れ出した。
15軒の地区だが未明だっただけに誰も気づかない。渡部さんは119番通報ののち火の見やぐらに駆け上り鐘を鳴らす。道子さんも火事を近所に知らせて回った。隣家は歴史のある曲がり家で火の回りが早く全焼。「あと5分、救出が遅れていたら」と消防隊員も胸をなで下ろしていた。
「消防団を16年やっていたので、火事にはある程度慣れていた。でも、すぐに自宅に燃え移ると思っていたので大あわてだった。何よりけが人を出さすに済んだのは、起こしてくれた妻のおかげ」と感謝する。
それにしても、人命救助と消防連絡などを1人でこなすには判断力とともに体力もいる。「クマ撃ちで山を歩いているから。それに一番の趣味は、クレー射撃。難聴になってしまったけど」。たくましさが栄誉につながったようだ。(嶺岸善彦)