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【特報 追う】県産食材100%メニュー 青森県
■輸入依存に危機感、豊かな食PR
食の安全に対する不信や、世界的な食料価格高騰を背景に、食料自給のあり方を見直す動きが出ている。食料の安全保障は7〜9日の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)でも主要テーマに位置づけられている。議長国、日本の食料自給率はわずか39%。輸入への依存体質に危機感を持ってもらおうと、バランスのとれた食料生産を誇る青森県が立ち上がった。(米沢文)
青森県庁で先月、県幹部と報道陣を対象とした「食料自給率100%メニュー」の試食会が開かれた。名前の通り、食材は地元でとれた旬のものばかりだ。
内容は「海峡サーモン」の照り焼き(むつ市産マス)▽きんぴらごぼう(三沢市産などのゴボウと青森市産ニンジン)▽もずくの酢の物(深浦町産モズク)▽大根と菜っ葉のみそ汁(おいらせ町産大根)▽ご飯(黒石市産「つがるロマン」)−の5品で、672キロカロリー。
試食会ではもう1品、大きな注目を集めた料理が出された。東京都の自給率に基づいて作ったもので、大根とほうれん草、トマトそれぞれ一切れ、アサリ2個などが入ったスープだ。青森版は一汁三菜を季節に応じて提供できるのに対し、自給率わずか1%の東京版は、この1皿が1日分。
あまりに粗末な内容に「これで東京は大丈夫なのか」と驚きの声が上がった。
秋田や山形などの米所を抱える東北地方の自給率は100%を超え、北海道と並ぶ食料生産地帯だ。
中でも青森県は米を除いた場合の自給率が61%(平成18年度)で、東北地方でダントツ。出荷量や漁獲量全国1位に輝く食材はリンゴやナガイモ、ニンニク、ゴボウ、イカ類、ヒラメと多岐にわたる。砂糖の代わりにリンゴで甘みを加えるなど、調味料まで県産食材でまかなうことも可能という。
県企画課の白戸明子さんは「青森の農林水産業がバランスのとれている証し。食料生産はエネルギーに次ぐ産業にもかかわらず、軽く見られてきたところがある。全国に豊かな県産食材を知ってもらうだけでなく、県内の生産者に地域への誇りや愛着を見直してもらうきっかけになれば」と話す。
今月16日には三村申吾知事が東京・八重洲の「あおもりキャリアセンター」で、団塊世代向けの二地域居住をPRするイベントでこのメニューを紹介する予定だ。県が推進してきた「攻めの農林水産業」は、食料増産や県産食材の販売促進にとどまらず、交流人口の拡大にも活用されるようになってきたといえる。
国は現在39%の食料自給率を平成27年度に45%とする目標を掲げている。農林水産省食料安全保障課は、異常気象による作物の不作や輸出規制など不測の事態に備えるためにも、自給率の向上が重要としている。
同省は輸入が完全に停止した場合を想定し、農地面積拡大や農地転換などの対応マニュアルを作成。また、省内の食堂を一般にも開放し国産食材にこだわったメニューを提供するなど、自給率向上に向けた広報活動を強化している。
こうした中での青森県の「食料自給率100%メニュー」について、同省生産技術課は「都道府県庁の食堂で地場産品を積極的に使う例は増えているが、すべての食材を地場産でまかなう例は聞いたことがない。自給率や地産地消について真剣に考えてもらう前向きな取り組みだ」と評価している。
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■食料自給率
3種類の計算方法がある。一つは、食物に含まれるカロリーで計算する「カロリーベース」。牛乳や鶏卵、肉類はそれぞれの飼料自給率も反映される。米や小麦の生産量が多いほど数値が高くなる。また、食物の重さで計算するのが「重量ベース」。生産額で計算するのが「生産額ベース」で、野菜や果実の生産量が多いほど数値が高くなる。日本のカロリーベース食料自給率は39%(平成18年度)。