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【岩手・宮城内陸地震】小中校耐震化 山形40位
■統廃合、診断予算、代替校舎…悩む自治体
岩手・宮城内陸地震では両県の多くの学校施設で壁に亀裂が入るなど大きな被害があった。文部科学省が20日に発表した公立学校施設の耐震化状況では、東北6県の小中学校で耐震化率が全国平均(62・3%)を超えたのは宮城(85・5%)と岩手(62・8%)の両県のみ。高校でも全国平均(64・4%)以上だったのは宮城(83・5%)と岩手(66・7%)のほかは青森(72・0%)だけだ。進まない東北地方の耐震化。もし他県で同規模の地震が起きれば、深刻な被害が確実視される状況が浮き彫りになった。(宮原啓彰)
公立学校の耐震化は、主に各市町村が小中学校、幼稚園を、県が高校や特別支援学校を実施する。
高校の耐震化率が39.4%と唯一、40%を割り昨年より順位を一つ下げ全国最下位となった秋田県。
同県教委は「特別支援学校から優先的に改修工事を行ったことで高校の耐震化が遅れた」と説明。さらに、全国で最も少子化が進む県勢にあり、平成13年から高校整備計画で高校の統廃合、再編を推し進めたことや昭和56年以前の旧耐震基準の建物が多いためという。
だが、「優先させた」という特別支援学校でも耐震化率70・6%と全国平均(80・5%)を大きく下回る全国36位。「耐震性がない」と判定された特別支援学校の棟数に至っては20棟と東北最多だ。
同県は19年度、耐震改修促進計画を開始。27年度までに学校の耐震化率100%を目指しているが、「この地震で工事をさらに加速させるべく、6月県議会に補正予算案を提出した」と本腰を入れる方針を示した。
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一方、山形県は東北で唯一、小中学校の耐震化率49・4%と50%を下回り全国40位。同県教委は「各市町村の財政状況が苦しい」と苦しい胸の内を明かす。
学校施設の詳細な耐震診断にかかる費用は1棟当たり200万〜300万円。1校当たり1000万円以上の費用がかかることも珍しくなく、国から補助金を得ても重い負担がのし掛かる。「山形でも少子化が進み、学校の統廃合が進んでいる。いつまで校舎を使うか見通しが立たず、工事に二の足を踏んでいる市町村が多い」と同県教委。
同県は今年4月、「県有施設耐震改修実施計画」を開始。22年度までに、昭和56年以前に建てられた学校を補強していく方針だ。
青森、福島の両県も台所事情は同じ。青森は小中学校の耐震診断率で、福島は高校の同診断率で東北最下位だった。
青森県教委は「特に小さな自治体で診断の予算が組めない状況が続いている」とし、公立学校の耐震化事業の補助率を引き上げるべく、今月成立した改正地震防災対策特別措置法に期待を寄せた。一方、福島県教委は耐震化の完了まで長時間を要するとため息。「学校の工事には、代替校舎の建築や、工期に学校の長期休暇を利用するため、他の建築物以上に時間が必要。可能な限り早急に耐震化を図りたいが…」と危機感をにじませた。
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地震後、宮城県栗原市の学校などを視察した東北工業大の田中礼治教授(耐震構造学)は「これまで耐震補強済みの校舎とそうでない校舎が集中するエリアで、大地震が起きた事例はほとんどなかった。補強済みの校舎は、たとえ古い建物でもほとんど被害はなく、耐震補強の有効性が検証できた」と話している。