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【男鹿水族館の挑戦】(中) 赤字目前 じり貧入館者数

2008.8.11 02:47

 「このまま入館者数の減少に歯止めがかからなければ、赤字に転落してしまう。また、年内には指定管理者の再選定もあり、万が一、他の水族館を経営しているような会社が指定管理者に選ばれれば、3セクも解散せざるを得なくなる」

 厳しい表情でこう語るのは「男鹿水族館GAO」の堀幸夫館長だ。

 旧水族館の閉館を受けて、平成16年7月13日にリニューアル・オープンしたGAO。県では当初、3セクによる管理・運営を行う予定で、開館に先立って県や男鹿市、民間企業などが資本金1億円を出資して15年4月に「株式会社男鹿水族館」を設立した。だがその後、地方自治法の改正に伴って指定管理者制度が導入されることになり、選定を行った結果、3セクがオープン日から21年3月末までの5年間期限付きで指定管理者に選ばれた。

 堀館長は出資会社の1つであるプリンスホテルからの出向で、以前は東京本社で営業部に勤務。だが、北海道大水産学部出身だったことから、白羽の矢が立った。「大学時代に水産学をかじったとはいえ、水族館経営はもちろん初めて。上司から館長をやってくれといわれたときは、正直驚くとともに戸惑った」。だが、すぐに気持ちを入れ替え、「県内外の家族連れに楽しんでもらえる、日本一の水族館にしようと決意した」と振り返る。

    ■   ■

 一般的に、水族館はオープンから5年間は入館者数が減少し続けるといわれている。GAOもその例外ではなかった。

 16年度はリニューアル・オープンしたばかりとあって県内外から家族連れらがドッと繰り込み、実質8カ月半で43万 255人を記録。だが、翌17年度は38万 770人(前年度比88.5%)と下がり、19年度にはついに28万6682人(同94.5%)まで落ち込んだ。

 20年度に入って、4月は1万8182人(対計画+ 7.6%)、翌5月は4万4426人(同− 5.3%)で、「減少に歯止めがかかってきたか」と関係者を喜ばせたが、これもつかの間。6月には再び1万6851人(同−24.4%)に減少し、小中学生らが夏休みに入った7月も期待したほどは伸びず、約2万6000人(同−18.1%)にとどまっている。

 GAOの経営は入館料、3セクが直営している売店とレストランの売り上げ、そして県からの指定管理料で成り立っている。このうち、指定管理料はあくまでも入館料収入を補(ほ)填(てん)する形で県から出されており、入館者数が多ければ指定管理料は少なく、逆に入館者数が少なければ指定管理料は多くなる実績精算方式となっている。だが、もちろん県民の血税でまかなっているため、指定管理料も上限があり、今年度当初予算では年間9745万円とされている。

 では、決算はどうなっているのか。16年度の売り上げ総利益は4億4930万円で純利益は7197万円だったが、徐々に収入は減り、19年度は売り上げ総利益3億5077万円、純利益 601万円まで落ち込んだ。

 「昨年度までは何とか黒字を維持している。だが、これはぬいぐるみやオリジナルお菓子などを販売している売店の売り上げによるところが大きく、入館者数が23万人台を割ったら完全な赤字で経営は成り立たなくなる」と堀館長は苦しい台所事情を説明する。

    ■   ■

 ところで、入館者数の減少に歯止めがかからない理由は何なのか。「リピーターが少ないことと立地条件の悪さにある」とある観光業者は指摘する。

 GAO建設に当たって、「県では当初、壮大な計画を建てた」(県観光課)。この中で、各地の水族館で人気のイルカショーの導入なども検討されたとされるが、「プールのほか、調教師も複数必要になることなどから、採算が合わないと見送られた」(関係者の1人)という。また、バブル経済の崩壊や財政難から、規模は徐々に縮小された。その結果、豪太が唯一の目玉で、魚類のほかに、アシカやアザラシなどはいるものの、本格的なショーが行われない極めて地味な水族館となった。

 「シロクマなら動物園にもいるし、一度見ればもう十分という人も多い。さらに、夏場はともかく、冬の男鹿半島は強風と雪で、そんな時に海沿いにあるGAOまでわざわざ足を運ぶ人は少ない」(観光業者)。この言葉通り、冬場の入館者数はめっきり少なく、時には職員の方が多い日もあるという。

 そんなGAOに誘客を図り、リピーターを増やすにはどうしたらいいのか。関係者も入館者数がじり貧となるのを黙ってみていたわけではない。(木村庄一)

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