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【夏の高校野球】秋田・大館鳳鳴1年生とエースの継投策で4強入り
第90回全国高校野球選手権記念大会は18日、岩手、秋田の両大会で、それぞれ準々決勝4試合が行われ、8強が激突、熱戦が繰り広げられた。19日以降、青森、山形、福島、宮城の順に同じく8強対決を迎える。「夏の甲子園」出場をかけた大会は、いよいよ佳境に入った。
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〈秋田〉夏での再起をかける強打の大曲工に、大館鳳鳴は、だれも予想もしていなかった1年生左腕の金田光司を先発で送り込んだ。
「朝に先発を告げられた。緊張したが心の準備はできていた」と金田。立ち上がりは決して、調子は良くなかった。持ち味の制球が定まらず一、二回ともに2つの四死球を出した。それでも「打たれても先輩投手が控えている」と開き直り、後続を打ち取っていった。
試合が動いたのは五回。二死満塁で大館鳳鳴の4番山内悠大(3年)が痛烈な左前打を放ち均衡を破った。制球の乱れた大曲工の伊藤将太郎(3年)が四球を出し追加点を奪い、引き離した。
そしてその裏、大館鳳鳴は金田に代えてエース山本隆介(3年)をマウンドに送った。「無失点に抑えた1年生の前で、ふがいないピッチングをするわけにはいかなかった」と山本。8回に右手の薬指と小指を切り、止血のために試合が中断するアクシデントもあったが、気迫のピッチングを続けた。最後の打者を空振り三振に仕留め、大曲工に得点を許さなかった。
「前回のベスト4を超え、今年こそ決勝の舞台に立ちたい」。山本は力を込めた。
接戦を制した大館鳳鳴の斉藤広樹監督は「予想以上に投手が踏ん張った。先発が試合を作り、継投したエースが粘り強く抑え続けたことが勝因」と選手をほめた。
敗れた大曲工の阿部大樹監督は「相手先発の1年生から点を取れなかった。もう1本が出なかった」と話し、ため息をついた。春の選抜で東北地区の21世紀枠候補校に選ばれながら不祥事で推薦を辞退し、夏での再起を誓っていた大曲工。大館鳳鳴を上回る7本の安打を放ちながら、本塁を踏むことができず、ベスト8で姿を消した。(宮原啓彰)
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〈岩手〉シード校がすべて姿を消した。平成に入ってから、岩手大会で第1シードが頂点に上り詰めたのは4回。しかし、ここ6年は良くてベスト4。連覇を目指す花巻東にとっても、“壁”は厚かった。
放った安打は盛岡中央と同じ9本。二回は二死満塁、四回は一死三塁、六回は一死満塁と攻めた。だがスクイズ失敗など、ことごとくチャンスを逃した。
守っては、四球やエラーがらみで失点。歯車がかみ合わなかった。
それでも中村有哉捕手(3年)は「自分たちの野球はできた。相手の力が上だった」と試合を振り返った。
167センチ、76キロ。小柄ながらガッシリした体格で、チームを引っ張ってきた。昨夏は三塁手だったが、新チームになり中学時代にやっていた捕手に戻った。「視野が広いし、冷静」(佐々木洋監督)な点を買われた。
中村は最終回、胸をたたき、マウンドの菊池雄星投手を励ました。「気持ちで抑えろ」と。
打線では不動の3番。今大会では、4回戦までの3試合で10打数7安打3打点。初戦の福岡高浄法寺戦では右翼席に本塁打をほうり込んだ。
昨夏の大会では、専大北上との決勝戦の九回裏に同点打を放ち、サヨナラ勝ちにつなげ、甲子園の土を踏んだ。
この日も、第2〜4打席は走者を置いていた。だが「ベンチに入れなかった仲間や、スタンドで応援している父母らのためにも、ランナーを返そう」との思いが空回りした。力が入りすぎ、いつもの鋭い打球は出なかった。
高校での野球生活はあっという間だった。「見捨てないでここまで仕上げてくれた」。佐々木監督や出会った仲間たちに感謝した。(土樋靖人)