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【特報 追う】秋田人が生まれ変わる! 4変身プラン提案 県民性改革は困難とも

2008.4.26 03:08

 「ハンドバッグ購入費」「子供服購入費」「美容院の人口比率」全国1位…一方「10万人当たりの自殺率」同1位、「多重債務相談件数」同2位。奥ゆかしく真心あふれるが、「いいふりこぎ(見栄っ張り)」で「ひやみこぎ(怠け者)」。そんな秋田人を“変身”させ、衰退する県勢を変えようと官民一体で作る「秋田の将来研究会」は、昨年度、「秋田人変身プロジェクト」を実施、先月報告書をまとめた。秋田人は本当に変身できるのか?(宮原啓彰)

 これまで県のホームページには1万件以上アクセスがあり、県内外から多くの県民性エピソードが寄せられた。そこで語られた秋田県人の特徴は、「自転車旅行中、地元の人が自宅に泊まるよう勧めてくれたのは秋田だけ」といった心温まる多くのエピソードとともに、「商売下手」「(他県と違い)雪が降ると始業時間になっても半数の社員が出社しない」「他人の足を引っ張る」「リーダーシップに乏しい」「酒を飲まないとコミュニケーションできない」「他力本願」など耳が痛い指摘も相次いだ。

 秋田の県民性は、他の東北地域と比べ、飢饉(ききん)がほとんど発生しない裕福な地域だったこと、四方を山と海に閉ざされた県土といった歴史的、地理的な要因が長い時間をかけ形成させたという。大正2年に作られた旧軍による秋田連隊の性格を記した報告書にもこう記されている。「県内有望なる各種事業は皆他国人の占有する所」「勤勉の美風に乏しく生活不規則…(中略)山形民に比すれは雲泥の差」「服装最も華美なりとの評」「飲酒の癖あり」「進取力に乏しき」−。

 「当時の文献と現代の特徴はほとんど変わっていない」と、1月に開かれた公開フォーラムのパネリストで『あ やぶにらみ秋田経営風土記』(無明舎)などの著作がある会社顧問、荒谷紘毅氏は嘆く。「今と昔では秋田を取り巻く環境が全く異なる。日本の経済構造が変わり地域格差が広がるなか、悪しき地域性を直していかねば、自殺率やがんの疾病率は改善しないだろう」

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 「秋田の将来研究会」はエピソードを下敷きに報告書で、(1)子供からの変身(2)家庭からの変身(3)男の変身(4)リーダーの変身の“4つの変身”を提案。具体案には、子供や親子対象の「お財布教育」や、変身を果たした団体やそのリーダーを表彰する「変身大賞」などが提案された。

 県総合政策課は「例えば、子供のころから『お財布教育』で経済観念が身につけば、見栄っ張りな県民性から、多重債務に陥り、最後は自殺に繋がるといった悪循環を断てる」と話す。今月中に「県教委など関係機関に報告書を上げ、施策政策に反映させる方針」だ。

 一方、プロジェクト自体への反対論もある。アンケートでも1割程度が反対意見だった。

 『出身県でわかる人の性格 県民性の研究』(新潮社)などの著作がある岩中祥史氏も懸念を示す。「想像力豊かな秋田県人らしい着眼だが、県民性の良い部分と悪い部分は表裏一体で個人の性格と同じ。現在の秋田の厳しい環境を思えば、『変えたい』との思いは分かる。だが時代によって、県民性がプラスになる時代もあれば、マイナスに働く時代もある。そもそも県民性は変えようと思って変えられるものか疑問だ」

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 賛否両論が寄せられたプロジェクトだが、「数百年をかけ培ってきた県民性を変えるのは難しい」(荒谷氏)という点では皆、一致している。一方、県は「報告書で県民が自分たちの性格を自覚するきっかけになれば…」と話す。

 今月16日、民間の元メンバーの有志が県庁に集い、「秋田人変身プロジェクト推進協議会」を発足。湯瀬早百合会長(57)らは「報告書でプロジェクトを終わらせるのはもったいない」とし、第2回の公開フォーラム開催などを決めた。

 秋田人の変身は始まったばかり。だが「コラ 何につけても一杯呑まねば物事はかどらぬ」(秋田音頭)と悠長に歌っている時代は過ぎ去ったことだけは確かなようだ。

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 ■秋田県の持つ“全国1位” 本文中の12年連続でワースト1位の自殺率や、子供服購入費以外に、がん死亡率(10年連続)、脳血管疾患、肺炎の死亡率が全国1位。不慮の事故による死亡率は全国2位。さらに出生率は12年連続で、自然増加率は11年連続で、婚姻率は7年連続でワースト1位(18年の調査)。

 一方、刑法犯認知件数は全国最少。中学2年の身長が男女ともに1位。昨年の全国学力調査では、小学生が全国1位、中学生もトップクラスだった。

 秋田人の性格を表す例え話として「岩手人は『俺もやるからお前もやれ』、山形人は『俺はやらないけどお前はやれ』、そして秋田人は『俺もやらないからお前もやるな』」が有名(秋田人変身プロジェクト報告書別冊より)。

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