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東海・東南海・南海地震のメカニズム解明へ 

2008.5.20 02:06

 ■海洋研究開発機構が「ちきゅう」プロジェクト

 東海・東南海・南海地震のメカニズムを解明するため、文部科学省所管の「海洋研究開発機構」(本部・神奈川県横須賀市)は、米、欧、中国、韓国など21カ国による壮大な国際研究協力プロジェクト「統合国際深海掘削計画(IODP)」を推進。一環として昨年9月から今年2月にかけ、戦艦大和並みの規模を誇る巨大な地球深部探査船「ちきゅう」で、紀伊半島沖約100キロの熊野灘にある南海トラフ(海溝)地震発生帯を掘削調査する南海トラフ掘削プロジェクトを実施した。直径約9センチ、延べ約8000メートル分の海底下のコア(柱状地質試料)は、高知市にある高知コアセンターで冷蔵保管中で、各国の研究者らが、断層面の地質サンプルを持ち帰り、現在、多方面の研究を進めている。

 「ちきゅう」は、平成17年に約500億円をかけ建造されたばかりで、18年にリメイクされた近未来SF映画「日本沈没」でも、雄々しい姿で大活躍。全長210メートル、全幅38メートル、総トン数約5万7000トンで、大和(全長263メートル、総トン数6万5000トン)に近い大きさ。操船と掘削の訓練を約2年重ねた後、初の掘削航海としてプロジェクト参加国のうち12カ国67人の研究者が参加し、クルーも含め150人が、3回に分け、掘削活動に従事した。

 「日本沈没」は小松左京氏の小説をもとに昭和48年に初めて映画化。リメイク版では、阪神・淡路大震災後の社会的背景の中、平成16年の新潟県中越地震で2歳男児を救出した東京消防庁のハイパーレスキュー隊や、同機構の潜水調査船「しんかい6500」(映画では原作通りわだつみのシールを張って撮影)など最新鋭のヒーローや“メカ”が登場。「ちきゅう」の撮影は、同船の一般公開の際に行われたもので、たくみなカット割りで、フォッサマグナ(中央地溝帯)などが活性化し、四国南部や九州が沈没していく最中に、臨場感あふれる航海シーンを映し出していた。

 実際の「ちきゅう」船上に備えられた掘削やぐらは高さ約130メートルで、通天閣(約100メートル)以上の高さ。長さ約10メートル、外径約20センチのパイプを何本もつなぎ合わせて、水深約2000メートル〜4000メートルの海底からさらに深さ約1400メートルまでダイヤモンドヘッドドリルで掘り下げ、コアを引き抜いた。将来的には水深4000メートルの海底下7000メートルのマントルまで掘削できるようにする。

 今回のプロジェクトのターゲットとなっている三重、和歌山、高知県沖にある南海トラフは、駿河湾から紀伊半島沖、四国沖、九州沖まで連なる長さ約770キロの海溝。南からフィリピン海プレートが日本列島を支えるユーラシアプレートの下に、沈みこんでいる境界。

 掘削され高知市の高知コアセンターに冷蔵保管されているコアからは、昭和21年の東南海・南海地震跡の破壊断層や、それ以前のはるか昔の断層も採取。中には100万年間以上の地質年代の逆転を示す変形破壊断層も発見されており、地球誕生以来46億年の間に起こしたそれぞれの地震による地層の変化や、地質の違いで、日本列島がたどった環境の変化や、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの動きを読み取り、次の活動を予知しようとしている。

 村田範之同機構報道室長は「南海トラフの巨大分岐断層を直接採取することができ、断層の活動履歴の解明につながる。また過去に津波を起こした斜面崩壊を含む地層も採取できた。変形破壊の痕跡や、プランクトン化石年代の地質年代の逆転も観察されており、断層の複雑な履歴が科学的に分析できる」などとしている。

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