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地方
交通系ICカードの相互利用 発行枚数競争の終焉 九州
■第2幕はビッグデータ活用策
全国の鉄道・バス事業者が発行する10種類の交通系ICカードの相互利用が23日始まる。いずれか1枚のカードを持っていれば、全国52の鉄道と96のバス、さらに約20万店舗で使用でき、利便性が飛躍的に向上する半面、西日本鉄道やJR九州など事業者にとってはカードの差別化が難しくなる。ICカードは、これまでの発行枚数の拡大競争から、カードで収集した顧客データをいかに活用し、収益につなげるかを競う第2幕が始まる。(大森貴弘)
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相互利用が始まる10種類のカードの総発行枚数は8133万枚(1月末現在)で世界最大規模となる。
このうち九州の主なICカードはJR九州のSUGOCA(スゴカ)、西鉄のnimoca(ニモカ)、福岡市営地下鉄のはやかけん-の3種類だ。
この3種類のカードは、すでに平成22年春から相互利用できるが、23日以降は、関西圏の私鉄などでも一斉に使えるようになる。全国のコンビニエンスストアやドラッグストアの買い物にも利用できる。反対に東京メトロや首都圏私鉄のPASMO(パスモ)で、九州の鉄道やバスに乗ることも可能だ。
JR九州の木戸和崇カード企画室室長は「エリアを越えて全国の交通事業者が協力するのは初めて。利用者にとっても、どのカードを持つか迷う必要がなくなる。ICカード統一は、日本の交通事業史で革命的な出来事です」と語った。
だが、各社がカード事業にかける設備投資は軽くはない。
「システムの改修や取り換え、拡大などの投資額は決して小さくない。この負担が将来的に経営にどう影響するかは懸念材料でもある」。JR九州の唐池恒二社長は19日の定例記者会見で一抹の不安を口にした。
実際、JR九州はICカードの導入から、今回の相互利用に伴うシステム改修費用まで計150億円を投じた。年間の総設備投資額が600億円前後の同社にとって、大きな数字だ。
発行枚数でJR九州を圧倒する西鉄も、相互利用だけで5億円、累計100億円の設備投資を実行した。さらに、今後もシステム保守など継続して、年間数億円の支出が予想される。
それでも事業者が普及を進めるのは、カードで集めたデータの活用に、注目するからだ。
交通系ICカードには、利用者の居住地や性別、年齢が記録されている。何曜日にどの駅やバス停で乗ってどこで降りたか、どこの店舗で何円分の買い物をしたか。これら消費者の行動履歴が膨大なデータ(ビッグデータ)として、事業者に集積されていく。
購入リピート率が高い隠れたヒット商品や、曜日ごとの消費行動パターンなど、従来は店員の感覚に頼らざるを得なかった情報が、ICカードを通じて正確にしかも素早く集めることができる。このビッグデータを、売り場作りや商品開発に生かそうという動きは、すでにコンビニなどで始まっている。
スーパーやドラッグストアなど多くの小売店をグループ内にもつ西鉄やJR九州も今後、ICカード情報を有効に使い、グループ小売店の売り上げを伸ばす戦略をとる。購買層に合わせた陳列や、効果的なセールの実施時期、新たな出店場所の選定などデータ活用が期待される分野は多岐にわたる。
西鉄の子会社「ニモカ」の飯田浩之営業部長は「ICカードで集積できるデータは、あらゆる可能性を秘めている。今後、積極的に活用方法を模索していきたい」と話した。
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