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保育園などで地震対策 防災意識高まる 和歌山

2008.11.7 03:07

 近い将来発生すると予想される東南海・南海地震で、保育園や幼稚園、小・中学校、養護施設などに置かれた本棚やピアノなどの重量物が転倒や横滑りする事故が懸念されるため、固定化などの対策が県内でも進められている。和歌山市の保育園では施設全体の地震対策を実施、串本町が行政主体で取り組むなど防災意識が高まりつつある。

 和歌山市平井のかんどり保育園は今月1〜3日、グランドピアノや本棚など地震で横滑りしたり、倒れたりする危険性のある56カ所で専門業者による予防工事を実施した。ピアノは「ターンポール」という器具を使い、床と固定。震度6強まで耐えられるが、回転させればネジが緩んで外せるため、施工後もピアノを移動できるという。

 本棚は金具で上面と柱をつないで固定し、観音開きの扉には一度押さないと開かない「扉ストッパー」を取り付けた。大型テレビも本体にベルトを張り付け、片側を壁と固定した。

 同保育園では園児の増減による備品の配置換えが頻繁に行われ、完全に固定せず移動できるようにするには地震対策費用がかさむ見通しだった。宮本凱夫(よしお)園長は「預かった命を守るため最大限のことをしたい」と市内の社会福祉法人から助成金を得て工事を行った。

 このほかにも同市や紀の川市で、保育園や老人施設など10カ所が国や県の補助を受けて対策を実施。串本町でも平成19年から町内の保育園など11施設でピアノの固定化を行い、今後は小・中学校へ拡大するという。

 かんどり保育園などで備品の固定化を行った専門業者「日本予防」(和歌山市八番丁)の臼井康浩代表は、6月の岩手・宮城内陸地震発生直後に駆けつけた岩手県奥州市の小学校で、教壇上にあったグランドピアノが逆さまにひっくり返っているのを目撃した。臼井さんは「シートベルトと同様に危機意識を強く持ってほしい。病院や学校など災害弱者を抱える施設は必ず対策を」と訴えている。

 19年に県が実施した県民意識調査によると、家庭でも家具などの転倒予防を行っている人の比率は16年の約22%から約36%に上昇。県総合防災課は「県全体で少しずつ防災意識が高まっている」としている。

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