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生鮮売り場を農家に開放 和歌山市のスーパー「ゴトウ本店」 

2008.5.17 03:08

 和歌山市のスーパー「ゴトウ本店」が、5月下旬から来年にかけて市内にある6店舗すべての生鮮食品売り場のスペースの約半分を県内の契約農家に開放し、野菜や果物を直売させる取り組みを始める。JAが成功を収めた直売所を参考に、売れ具合を農家へメール送信して出荷調整を図りながら野菜や果物を農家自身に値付けしてもらう斬新な方式だ。市場を通さないため農家の手取りもぐっと増える可能性が高く、関係者は21世紀型の“食える農業モデル”にしたいと意気込んでいる。

 1号店は今月24日に「めっけもん広場 ええもんマート」として堀止店(同市堀止西)を改装開店する。農業コンサルタント「農業総合研究所」(同市)が募集・契約した同市や紀の川市などの農家約150戸からトマトやサヤエンドウなどの野菜、イチゴやモモ、ミカンなどの果物を集荷して午前と午後の1日2回、店へ輸送。店の値付けは出荷した農家自身がおこなう。魚についても田ノ浦、雑賀崎の漁港と提携し獲れたてを直送する。これで賄えない野菜や魚介類だけは従来通り市場から調達して店頭販売する。

 農産物の売れ行きは顧客が店で購入してレジを通すとコンピューターにデータが蓄積され、1日3回程度、契約農家の携帯にメール送信される。農家は売れ行きを見て、午後の出荷量を増減したり、値付けを変えられる。朝採ったばかりの野菜、果物を午後に店頭で販売したり、生産した農家の名前や顔写真などを商品の袋に入れて安全性をアピールしたりできる。

 ゴトウ本店の森喜寛・管理本部部長は「農家の値付けは市場調達で販売するより安くなるのではないか」と予想する。それでも農家は売り上げの8割弱を受け取れ、中間マージンを取られる市場方式に比べて倍以上の手取り率となるため、「売れ残るリスクを考えても大幅な収入増が期待でき、農業にお金と成長が期待できる」(農業総研の及川智正社長)という。

 農産物の直売所としてはJA紀の里(紀の川市)が平成12年11月、めっけもん広場をスタートさせ、19年度の売り上げが25億円を突破し同様の店としては5年連続全国一になっている。ただ、消費地からは遠く不便なため、ゴトウ本店は和歌山市の中心部という消費地に位置するスーパーを“直売所”へ業態転換することにした。6月には太田店、7月にJR和歌山駅前店、8月に和歌浦店をリニューアル予定で、最終の県庁前店改装は来年中ごろの見込み。

 各店の売り場では金山寺味噌やせんべいなどの県産加工品も扱うほか、契約農家の農園で果物狩りを楽しむ企画や生産者自らが売り場で消費者にPRできる機会も設けるという。

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