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“里海”から琵琶湖再生を 大津で研究会
人の手が加わることで生態系が維持され、暮らしと自然が共存している「里山」の海や湖バージョンとして、ここ数年急速に広まりつつある「里海」という概念から琵琶湖の内湖再生を考える研究会が、大津市で開かれた。研究者らからは、「里海の維持」という名分で行う安易な「保全活動」は、環境の悪化につながる場合があるとの警告が発せられた。
里海とは、里山の考え方を海や湖に援用したもの。研究会は、琵琶湖と水路でつながり、近年減少傾向にある内湖再生にこの考え方が適用できないかと琵琶湖環境科学研究センターが主催して行われた。同センターが継続している湖岸生態系の保全や管理に関する研究の一環。
研究会では、海洋生態学の向井宏・北大名誉教授が「里海という言葉の問題点」と題して講演。里海と称して人の手を入れることにより、環境を劣化させるケースがあるとの説明に、約80人の参加者は熱心に聞き入っていた。
続いて同センターの西野麻知子・総合解析部門長が、琵琶湖沿岸のヨシ群でも、地形や歴史的な経緯などを考慮せずに保全活動を行った場合、かえって生物多様性を劣化させるケースがあることを紹介。「人が自然を作ることはできないが、自然が自然を作る手助けをすることはできる」と述べた。