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高齢化を支える目の不自由なマッサージ師 大阪
目の不自由なマッサージ師たちが、高齢化が進む千里ニュータウンなどの地域を支えている。マッサージ師たちが所属している会社は、「浦野ウラノマッサージ」と介護支援事業を展開している「ウラノ」。障害者が生き甲斐をもって社会を支える会社経営のノウハウのケーススタディーとして、注目が集まっている。(高瀬真由子)
2つの会社は、ともに豊中市新千里南町に事業所を置き、浦野洋子さん(65)が代表を務めている。
浦野さんは約20年前、盲学校で真剣に技術の取得に取り組む障害者と出会ったことがきっかけで障害者への幅広い雇用を行うことを決め、以来各地の盲学校に定期的に足を運び雇用を続けている。
「浦野ウラノマッサージ」はマッサージ事業として、豊中や吹田市など北摂地域に6店舗を展開、「ウラノ」は主に訪問リハビリや介護支援事業を行っている。マッサージ師やケアマネジャーら総勢約170人が在籍し、うち約70人が視覚障害者たちだ。
スタッフの中には、突然の事故や病気で人生半ばで目が不自由になった中途障害者も多い。勤めていた会社を辞めることを余儀なくされた人や、網膜色素変性症などで徐々に目が見えなくなる人などが働いている。仲間で支え合いながら、寝たきりの高齢者宅への出張治療や、老人ホームでの機能訓練などを提供。地域の信頼は大きく、店には予約の電話が絶えることはない。
スタッフの一人、30代のとき突然の病気で視力が著しく低下したマッサージ師の大村耕治さん(59)は「仲間は仕事に誠実なスタッフばかり。みんな『自分を信頼して体をあずけてくれるお客さんのために頑張ろう』って、いつも言っているんですよ。私も、毎日、指先に気持ちを集中させています」と話す。
障害者と健常者が一緒になり高齢者を支える介護支援事業。本格的な高齢者社会を前に、新たなケーススタディーとして注目を集め始めている。
大阪成蹊大学(大阪市東淀川区)の現代経営情報学部、山本憲司教授のゼミ生は今年、1人のマッサージ師の人生に注目。障害者が生き甲斐をもって働く経営の実例を紹介するために同大で開催している「経営パラリンピック」で、テレビドキュメントにして報告した。また、店には年間10校以上の学校などから学生が定期的に訪れ、職業体験などを行っている。
浦野さんは「今スタッフがエステシャンの資格をとり、高齢者にエステを行う『介護エステ』なども考えているんですよ。高齢者、障害者、健常者、みんなのの心が明るくなるよう、今後も新しい福祉の形を模索していきたい」と話している。