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交通事故でミュージシャンの夢絶たれ…家族が息子の曲広める活動
ミュージシャンを目指しながら交通事故で夢を絶たれた大阪市阿倍野区の大学生の両親が、「息子の曲を多くの人に届けたい」と活動を続けている。遺作をまとめた追悼CDを作成し、これまでに2回の追悼コンサートも開催。曲を聴いた人からは「ビデオ作品に使わせてほしい」と依頼があるなど少しずつ反響が出始めている。父親の米村幸純さん(58)は「夢を持っていた息子の音楽を聞いて、交通安全に関心をもってほしい」と呼びかけている。(高瀬真由子)
米村さんの長男で、大阪芸術大学に通っていた泰彦さん=当時(20)=は平成8年12月、大学に向かう途中、信号無視のトラックにはねられ命を奪われた。泰彦さんは「ぼくの方が青やったのに」と訴えて息を引き取ったという。
米村さんに教わりギターを始め、音楽の道を目指して作詞、作曲をしていた泰彦さんの部屋からは、約60曲の遺作が見つかった。残されたメモには「自分の歌をたくさんの人に聞いてほしい」「生まれ変わっても同じ歌を唄っていたい」と記されていたという。
「息子の生きた証を残したい」と米村さん夫婦は、泰彦さんの残した歌をCDとしてまとめ始め、友人らに配布。その後も「息子のことを忘れないでほしい」という思いが年々強くなるなか、これまでに2回の追悼コンサートを開催。同時に交通事故防止の講演なども行い、交通事故の現状を伝える中で知り合った人にCDを渡してきた。
地道な活動によって泰彦さんの音楽が広がりはじめ、米村さんの講演を聞いた、豊中市でボランティアをしている女性から「豊中市で制作している介護予防体操の音楽に、泰彦さんの曲を使いたい」と依頼があった。6月末、『夕刻と時計台』と『家に帰りたくない』の2曲が使われた、介護予防体操DVD「豊中ローズ元気アップ体操」が完成。夢をのせた優しい歌声とメロディーが、高齢者の体を元気にすることが期待されている。
米村さんは「草の根の活動で自分の曲が広まるのが息子の夢だった。多くの人の耳に曲を届け、交通事故や命について考えるきっかけにしてもられればうれしい」と話している。