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熊取町で被爆ピアノコンサート いつでも忘れないで平和の尊さ
昭和20年8月6日に広島に投下された原爆の傷跡が残る「被爆ピアノ」の音色を聞いてもらう「被爆ピアノコンサート」が9日、大阪府熊取町町民会館ホールで開催される。「平和の尊さをいつも忘れないでほしい」と同町がこの時期の開催を企画。爆心地に近い民家にありながら、奇跡的に焼失を免れたピアノの音色、そして傷跡が「平和とは何か」を語りかける。(中村宏二)
被爆ピアノは昭和7年、浜松市で製造されたヤマハ製のアップライトピアノ。広島市の爆心地から約1・8キロ。現在の所有者の同市の調律師、矢川光則さん(55)にこのピアノを託した女性(80)の実家にあった。
矢川さんは「爆心地から2キロの範囲はほとんどが焼失したのに、このピアノは奇跡的に残った」と話す。
ピアノは女性が4歳のとき、父に買ってもらったものという。被爆したのは17歳のときだった。家は洋風のモルタル造りで、周囲の家はことごとく焼失したが、家は被害を受けながらも残り、このピアノが後世に伝わることになった。
ピアノは女性が嫁いでもずっと女性とともにあった。「どうしても捨てられない」という思い。高齢になり自分の身がいつどうなるか−そんな女性は矢川さんに「何かに役立ててほしい」と申し出たという。女性の気持ちに応えた矢川さんが平成17年にピアノを譲り受けて修理した。
コンサートを主催する同町は「戦争が終わった8月だけではなく、1年を通じて戦争の悲惨さを語り継ぎ、平和の大切さを伝えていきたい」と開催を決定。当日は、矢川さんによる被爆ピアノにまつわる話で始まる。プロのピアニストや町内の3中学校の生徒ら住民参加の演奏で音色が披露される。
コンサート終了後には、被爆ピアノに触れてもらう時間も設けることにしており、ガラスの破片が突き刺さった傷跡などを見てもらう。
矢川さんは「ピアノに触れて、聞いてもらって、今の平和の尊さを感じてもらうきっかけになれば」と話している。
入場無料。定員300人。コンサートは午後2時〜4時。