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調書漏洩事件公判 被告側、草薙さんを厳しく批判

2008.5.30 04:03

 「情報の詐取ともいうべき悪質極まりない行為」。29日、奈良地裁(石川恭司裁判長)で開かれた、田原本町の医師宅放火殺人の供述調書漏洩(ろうえい)事件の第3回公判。中等少年院送致となった医師の長男(18)の精神鑑定を担当し、秘密漏示罪に問われた精神科医、崎浜盛三被告(50)の弁護人は、冒頭陳述でフリージャーナリスト、草薙厚子さん(43)の行為を厳しく批判した。一方、弁護側は崎浜被告が葛藤(かっとう)を感じながらも信念に基づいて調書を閲覧させた心境を示し、「被告は、調書を見せたこと自体は間違いだとは思っていない」と改めて述べた。

 冒頭陳述で弁護側は、崎浜被告が長男を精神鑑定した結果、広汎(こうはん)性発達障害を有し、かつ亡くなった母=当時(38)=ら3人への殺意はなかったと知ったことが、調書を閲覧させるきっかけになったと指摘。「事実を知る者として、少年に着せられた『殺人者』というレッテルをはがさなければならない」と考え、友人の大学教授の紹介で会った草薙さんに閲覧を承諾したと説明した。

 しかし、草薙さんらは、崎浜被告との約束を破る形で、閲覧時に調書を写真撮影し、その事実を崎浜被告には隠していたとし、こうした行為を「被告への裏切り行為」と非難。さらに、調書からの引用が大半を占めた草薙さんの著書「僕はパパを殺すことに決めた」の出版は「知らされなかった」とし、「本件で裁かれるべきは草薙さんと講談社」と厳しく指摘した。

 一方、調書を見せた動機については「被告人は、見せることが不適切であるとの認識はありながらも、少年が受けている誤解をとくために見せることは、モラル的には正しいとの信念のもとで見せた」と説明。「結果的に長男や父親に迷惑をかけたとすれば残念で仕方なく、申し訳なく思っているが、誤解をとくために見せたこと自体は、間違いだとは思っていない」とした。

 また公判では、崎浜被告と草薙さんのやりとりを録音したICレコーダーの一部会話を検察官が再現。草薙さんが執拗(しつよう)に閲覧を求めた生々しいやりとりが明らかにされた。

 閉廷後、崎浜被告の弁護人は、草薙さんや父親を証人申請したことについて「捜査の不当性や告訴が父親らの意図に反していることを明らかにするために申請した」と話した。

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