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学生フリーペーパー花盛り 高い完成度で読者明確 魅力的な広告媒体

2007.11.26 01:52
このニュースのトピックス多摩ニュース
真剣な表情で誌面のでき映えをチェックする「PARTNER」の編集スタッフ=東京都国分寺市真剣な表情で誌面のでき映えをチェックする「PARTNER」の編集スタッフ=東京都国分寺市

 大学生が手がけるフリーペーパーが急増している。ファッションや音楽などから、地域の紹介、スポーツまで扱うものはさまざま。すでに全国で150近くが発刊されており、2億5000万〜3億円市場にまでなっているとか。学生と侮ることなかれ、完成度もきわめて高い。配布場所もキャンパス内などが多く、大学生に確実にリーチできるとあって、広告媒体としての価値にも注目が集まっている。(蕎麦谷里志)

 カラフルなページに奇抜なレイアウト。全体としての統一感はないが、ページをめくるたびに個性的な誌面に目を奪われる。

 首都圏を中心とした美大生や芸大生が集まり制作しているフリーペーパー「PARTNER」。花言葉をビジュアル化したページや、奇抜なファッションを紹介したページなど内容もオリジナルティーにあふれている。

 美大や芸大、専門学校など約60カ所に配られる、美大生による美大生のための雑誌だ。

 「イラストと文字が重なって見にくい」「この辺の色が主張しすぎだよね」

 制作現場では本格的なやりとりが展開される。試し刷りを囲んだ編集スタッフが次々と修正点を指摘。試し刷りは瞬く間に修正を入れた付箋で埋め尽くされた。

 編集長で、多摩美術大学1年の上野なつみさん(20)は「才能があるにもかかわらず、美大生は内向きになりがち。そんな美大生に刺激を与えたい」と制作への思いを語る。

 学生フリーペーパーを統括・支援する学生ベンチャー「ミレニアム」の山川雄志社長(21)は「学生フリーペーパーは去年から急激に増えてきている。企業のようにしがらみがなく、こだわりや新しい発想を具現化しやすいため、企業が作るものより完成度が高い場合もある」と語る。

 学生が学生に配るというスタイルも企業ではまねできないといい、広告媒体としての魅力が高いのも特徴だ。

 「PARTNER」も発行部数は3万部。全国の美術系大学生約10万人の3人に1人が手に取っている計算になる。広告を出す企業にとっても、これほどターゲットが明確な媒体はないのだ。

 完成度の高さで秀でているのは女子大生のインカレサークルが発行する「輝女(きらじょ)」。内容は外見と内面を磨き、輝く女性になるための提案をさまざまな企画の中で行うというもの。企画・編集は学生が行うが、レイアウトと写真はプロに依頼。表紙にはインタビューした芸能人を載せ、クオリティの高さにこだわる。

 代表の平松瑛梨奈さん(21)は「手にとってもらいやすく、捨てられないものにしたかった」といい、得た収益も紙質を良くするために使う徹底ぶり。

 東京大学の起業サークルが作った「合格サプリ」はビジネスとして成功を収めている。

 東大というブランドを最大限に生かし、高校生向けに、受験テクニックや大学生活を紹介。予備校などを広告主に、6月に出した2号では100万円近い利益を生んだ。

 「素人っぽい作りでも、コンテンツとニーズがあればビジネスになると自信になった」と代表の阿久沢栄里子さん(21)は振り返る。

 課題は、立ち上げに携わった学生が卒業した後、次の学生に引き継がれていくかだ。

 山川社長は「今はブームだが、継続すれば文化となり、新たなマスメディアにもなり得る。ゆくゆくは大学や地域の活性化に寄与するものにしていきたい」と話している。

                   ◇

 ■来月2日にコンテスト

 学生フリーペーパーのコンテストなどが行われる「Student Freepaper Forum 2007」が12月2日、東京都墨田区のKFCホールで開かれる。

 コンテストでは、2次選考を勝ち抜いた「合格サプリ」「PARTNER」「CREW」の3誌がプレゼンテーションを行い、優勝団体を決定。「学生から見るフリーペーパーの可能性」をテーマに、入賞8団体がパネルディスカッションも行う。

 新聞社や広告代理店の担当者なども招き、学生にとっては、ノウハウを学び、ビジネスチャンスを広げる機会にもなる。

 問い合わせは運営委員会事務局(電)03・5772・7891。

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真剣な表情で誌面のでき映えをチェックする「PARTNER」の編集スタッフ=東京都国分寺市
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