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「銀河鉄道」で夢の旅 プラネタリウム CGアートに酔う

2007.10.1 04:14

 プラネタリウムを使い、宮沢賢治の世界を表現した「銀河鉄道の夜」の“感動の輪”が、全国に広がっている。東京・池袋のサンシャインスターライトドーム「満天」では昨年、異例のロングラン公演をして9万人も動員。今年は全国18カ所に加え、中国・北京や台湾・台北でも上映されている。制作したのは、世界的なコンピューターグラフィクス(CG)アーティスト、KAGAYAさん。子供のころから思い描いてきた夢を形にした作品だ。(櫛田寿宏)

 KAGAYAさんが制作した「銀河鉄道の夜」は、約40分の作品。プラネタリウムのドームに、プロジェクターでアニメ映像を映し出す。

 物語は、夏の空に輝く星座を南にたどりながら進行し、実写や2次元のCGでは味わえない世界を作り出して実際に銀河鉄道に乗っているような感覚が楽しめる。

 車窓から見えるリンドウやススキ、白鳥が幻想的な光りを放つ。繊細な美しさ…。

 昨年、全国に先駆け上映された「満天」での公開は当初、6月から9月までの予定だった。しかし、口コミで評判が広がり、特に夏休み中には会場に入りきれないほどの観客が押し寄せたため、11月まで延長した。

 「自然に涙が出てきて、とても感動しました。何度見ても飽きません」「長野から、はるばる見に行きました。とても素晴らしい映像と音楽に感動しました。40分では物足りないです」

 満天には、作品を絶賛する声が数多く寄せられた。

 支配人の河野徹也さんは「お仕着せがましくなく、活字の世界に近い演出で、解釈は見た人に委ねる作品。従来のプラネタリウムの番組とは着眼点が違って、新鮮です」という。

 KAGAYAさんは、制作に3年の月日を費やした。ハイビジョンの約8倍の解像度の画像を6万枚作製し、銀河鉄道を“動かす”ことに成功した。

 「自分が銀河鉄道に乗っている気分になれる作品。自分が見たい世界を表現しました。多くの人に共感してもらえて、うれしい」

 「銀河鉄道の夜」は、KAGAYAさんが子供のころから親しんできた物語。作者の宮沢賢治の見た景色を確かめるため、賢治が生まれた岩手県花巻市を何度も訪れ、イメージを組み立てた。

 上映に際し、すべてのプラネタリウムに足を運んだという。調整を重ね、最良の映像と音楽を楽しんでもらえるよう腐心した。

 「商業ベースとは違う作品」だけに、納得するまで妥協はしない。

 次回作にも意欲的で、「今回とは違った新しい方法で表現したい」と話している。

 ≪子供から大人まで≫

 現在、「銀河鉄道の夜」を上映している主なプラネタリウムは、府中市郷土の森博物館(東京都、TEL042・368・7921)▽平塚市博物館(神奈川県、TEL0463・33・5111)▽さいたま市青少年宇宙科学館(さいたま市浦和区、TEL048・881・1515)▽浜松科学館(浜松市中区、TEL053・454・0178)−など。

 府中市郷土の森博物館では、要望に応えて9月2日までの上映を12月9日まで延長した。「子供から大人まで楽しめ、リピーターも多い」(同博物館)という。

                   ◇

【プロフィル】KAGAYA

 本名・加賀谷穣。昭和43年、埼玉県上尾市生まれ。幼いころから星の世界にあこがれ、描き続けるアーティスト。世界に先駆けデジタルペインティングの手法を確立、宇宙に関する作品を発表している。「the Zodiac 12星座シリーズ」はジグソーパズルのベストセラー。天文普及とアーティストとしての功績がたたえられ、小惑星11949番は「Kagayayutaka」と命名されている。夢は「月に行くこと」。

 

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