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昆虫研究家・尾田治徳さん 60年の集大成、標本1万点を鹿沼市に寄付

2008.5.8 03:29

 鹿沼市在住の昆虫研究家、尾田治徳さん(74)が、約60年かけて集めてきた昆虫の標本約1200種、1万点余りを8日、鹿沼市に寄付する。鹿沼の貴重な自然遺産ともいえる“尾田コレクション”には県が選定した絶滅危惧(きぐ)種も多く含まれ、市は標本の整理・分類を進めて展示などを行う方針だ。

 尾田さんが昆虫採集を始めたのは15歳のとき。旧制中学校の宿題がきっかけだ。宇都宮大に進学して応用昆虫学を専攻し、卒業後、教師となり日光市や鹿沼市の中学校で理科を教えた。その間、休日を利用して自宅裏にある山や近くの田んぼ、川などで昆虫採集を続けてきた。平成2年、定年まで4年残して退職した。標本を整理・分類するためだった。

 今回寄付される尾田さんのコレクションの中に、地元の黒川沿いで春から夏にかけて採集した昆虫が整理された標本がある。鳥類が食べる小さい虫が多い「春の昆虫」から、大型の虫が生息する「夏の昆虫」までの移り変わりが読み取れる。尾田さんは「植物も昆虫も鳥もどこかでつながっている。自然のすばらしさが実感できます」と話す。

 鹿沼市は標高差が1000メートルあり、県の「レッドデータブックとちぎ」に選定された絶滅危惧種を含めた多種多様な昆虫が生息している。標本の中には、県内では2頭の記録しかない県絶滅危惧I類「ホンシュウオオイチモンジシマゲンゴロウ」(ゲンゴロウ科)や、県絶滅危惧II類「カワラゴミムシ」、「ゲンゴロウ」などがあり、データブックに該当する種類は47種に及ぶ。

 約120箱の標本にカビが生えないよう、年2回、除湿剤を入れ替えるなど管理を怠らなかったという尾田さん。「これをきっかけに、鹿沼の歴史や民俗などの遺産の保存につながれば」と期待している。

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