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【つながる高速道−北関東の未来図】地域連携を模索15年

2009.1.6 02:19

 ■生まれる新たな文化圏

 「省庁の縦割りでうまくいかないのなら、市民、大学が立ち上がろうと思ったんです」。宇都宮共和大の古池弘隆教授は、「北関東地域連携研究会(三三研究会)」の設立趣旨についてこう説明する。

 三三研究会は、古池教授(宇都宮大工学部)のほか、山形耕一教授(茨城大工学部)、青島縮次郎教授(群馬大工学部)=肩書きはいずれも当時=の北関東3県の国立大教授と、3県の旧建設省の工事事務所長による私的な勉強会で、のちに旧日本道路公団の工事事務所長も加わった。平成5年3月に初めて開かれ、年に3、4回、週末に集まりざっくばらんに議論した。市町村の担当者を招いて話を聞いたり、居酒屋で酒を飲みながら意見を交わしたりした。

 研究会のまとめ役で、地域連携を推進するNPO法人(特定非営利活動法人)の代表理事を務める田中栄治さん(65)は「3県にとって、北関東道の整備でハードはつながるが、ソフトでの連携はなかった。誰もやろうとしなかったことで、画期的だった」と振り返る。

 北関開通への期待の一つに、地域連携が挙げられる。旧国土庁は5年度に公表した第4次全国総合開発計画で、道路を中心とした交通基盤を整備、活用し、広域的な地域間の連携を図るという「地域連携軸」を打ち出している。

 古池教授らは、北関東でも北関東道と国道50号を横軸線として地域連携の方向性を探る必要性があるとして、三三研究会を発足させた。研究会はその後、北関東の住民、大学、NPO、行政などによる各県100人、計300人の顔が見える交流となり、16年に「手をつなごう北関東交流会」の発足につながった。

 北関東道が開通すれば、群馬県高崎市から茨城県ひたちなか市まで1時間余りの自動車走行圏となり、これまで東京経由でしか成立しなかった経済・文化・生活圏が高速道路沿いに形成する可能性を秘めている。

 手をつなごう北関東交流会などの団体は、各県で子供を対象にした交流会を開催し、北関東道開通による生活環境の拡大を体験してもらう機会をつくった。18年には、沿線自治体を連携させるイベント「うみ・やま交流フェア」を5回開催し、計32万3000人を動員した。桜川市の「手打ちそば」、宇都宮市の「餃子」、栃木県真岡市の「SLグッズ」、群馬県太田市の「焼きそば」などの特産品を紹介した。

 田中さんは言う。「高速道路で広がった市民の文化、スポーツなどの交流で、新しい生活習慣が育つことを期待したい」。(鈴木正行)

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