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多重債務支援、水戸市が先鞭 全国から問い合わせ続々
複数の金融業者から借金を重ね、返済に苦しむ「多重債務者」を行政窓口で見つけ出し、市消費生活センターへ誘導するなどして解決を助ける水戸市の取り組みに、全国の自治体から問い合わせが相次いでいる。市では7月、職員用に「脱多重債務者応援事業マニュアル」を作成、配布。関係機関などと連携して支援に乗り出したところ、北は北海道小樽市、南は大分県まで、約20の自治体から「マニュアルを送付してほしい」などの連絡があるという。納税課など税金にかかわる部署からの問い合わせも多く、多重債務を解決することで、収税アップにつなげようという意図もあるようだ。(豊田真由美)
政府の多重債務者対策本部が4月に決定した「多重債務問題改善プログラム」では、改正貸金業法が完全施行される3年後までに、市町村でも相談体制を確立し、カウンセリング先の紹介や誘導を行う態勢の実現を目指している。同法により上限金利が引き下げられると、顧客は借り入れが厳しくなり、多重債務者がヤミ金融に走りやすくなる。
また、年間3万人を越える自殺者が命を絶った原因は「多重債務」が鬱病(うつびょう)などの健康問題に次いで多いことや、多重債務が犯罪の引き金にもなりかねない。そこで水戸市は「多重債務者への対応は自治体の責務」として、いち早く対策に着手。多重債務者の心理や、多重債務が社会に与える影響などを解説したマニュアルを職員に配布し、行政窓口で見つけた多重債務者の具体的な対応について周知した。
さらに、市消費生活センターや市内14地区の民生委員約420人とも連携するなど、市をあげた取り組みを展開。県内外の自治体から問い合わせが寄せられるようになった。「市議会事務局」「人事部」など部署はさまざまだが、「納税課」など税にかかわる部署が多いという。
マニュアルの送付を依頼した島根県浜田市徴収課は「組織全体で救済しようとする姿勢が見え、債務者への配慮を感じた。マニュアルが詳細で法的手続きがわかり、対応に生かせそう」と話す。「税収アップと(市民の)生活の立て直し」を図りたい考えだ。
今月は神栖市、来月には宮崎市の視察が予定されており、水戸市市民生活課は「マニュアル化によって統一感を持ってやろうとしたのが珍しいのでは」と驚きの様子。“水戸市モデル”が全国に広がりつつあるようだ。