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茨城で最悪6300人水死 利根川堤防決壊の被害想定

2008.4.17 02:02

 政府の中央防災会議専門調査会が公表した利根川決壊時の被害予測が、茨城県や該当自治体に波紋を広げている。予測は昭和22年に1000人以上が死亡した「カスリーン台風」級の大雨を想定、古河・坂東地区を中心に最悪で6300人が水死するという衝撃的な内容も含まれていた。県は「地震や津波と比べ予測がつきやすい水害は、迅速な避難で被害を抑制できる」と指摘。各市町も「人命保護が最重要」として、迅速な周知態勢の確立に力を入れている。

(中村昌史)

 想定は、200年に1度の確率で起きるとされる「3日間で計320ミリ」の大雨を基にしている。

 死者が最多となるのは、渡良瀬川との合流点近くの古河市で左岸堤防が決壊、排水施設も稼働しないケース。浸水区域外への避難者の割合(避難率)が0%の場合、境町で2800人、古河市で2000人、坂東市で1400人など、計6300人が水死する。

 さらに、市街地の排水施設が機能せず、避難率0%の場合、決壊直後に周辺地域で約8万8000人が孤立。4週間後もなお3万人近くが孤立する。

 この想定に対し、県は「予測がつきやすい水害では素早い避難が重要」と語る。県は、備蓄や企業との協定で、約22万6000人が3日間生活できる食料などを確保。被災者への供給を円滑に行う意味でも、安全な避難場所に素早く逃げ込むことがカギになる。

 大被害を指摘された3市町も「防災には周知態勢が不可欠」との認識で一致する。境町では、防災無線の充実を進める。暴風雨で屋外のスピーカーの警告が届かないケースも考え、国の補助金も活用して据え置き型の防災無線の全戸配布を推進している。

 3市町の合併で平成17年に誕生した古河市は周知態勢の統一化を急ぐ。屋外スピーカーや、各戸配布の防災無線の配置を検討している。坂東市でも、広報車や区長を幹とした緊急連絡体制を敷いているが、防災無線の拡充も視野に入れる。

 県は、国や市町村と連携して防災計画やハザードマップの更新を続けている。市町村もインターネットの活用や防災訓練の実施、関係団体との連絡緊密化を進めているが、住民の防災意識を高める取り組みも、さらに必要になりそうだ。

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