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最下位当選者の当選「無効」 神栖市議選
2月10日の茨城県神栖市議選(定数26)で、5票差で次点となった後藤潤一郎氏(36)=無所属=が有効票を無効にされたとして異議を申し立てた問題で、市選挙管理委員会(伊藤實委員長)は4日、無効票15票を後藤氏の有効票と認め、最下位当選した関口正司氏(64)=共産=の当選を無効とする決定を行った。ただ、関口氏は県選管への異議申し立てを検討しており、市議会の議席が事実上、確定しないという異例の事態が長期化する可能性もある。
市選管は同日、決定を告示。告示から21日以内に県選管に異議申し立てがなければ、ただちに選挙会を開き、後藤氏を当選人と確定する。それまでは関口氏が市議会議員としての身分を有する。
ただ、関口氏は「弁護士と相談して県選管への申し立ても含め検討したい」と話しており、混乱も予想される。
今回の問題は後藤氏の名前が、同じく市議選に立候補していた泉純一郎氏(61)=無所属=と似ていたことから起こった。「後藤純一郎」との投票が多数あったため、後藤氏は「有権者が名前を混同して記入する『混記投票』で有効票が無効になった」と主張。市選管は2月26日、投票総数から持ち帰り票を除いた計4万9674票を再点検。「後藤純一郎」と記された投票が30票あり、うち15票が有効、残り15票が無効とされたことがわかった。
市選管によると、開票作業で機械が読み取れなかった票は審査係が目視し、混記投票で無効と判断したという。市選管は判断ミスを認め、「大変申し訳ない」と陳謝している。
当選を決めた後藤氏は「選管の重大なミスに大変驚いている。市の信頼回復のためにも原因を追究したい」と話している。
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【視点】
投開票から約半月。神栖市選管のミスは、一度決まった当落を覆すという重大な結果をもたらした。
開票作業では、投票用紙を機械にかけ、機械が誰への投票か読み取れなかった票は審査係が目視で有効票とするか否かを審査するが、ここで有効票とすべき票を無効票とするミスが起こった。
市選管は「選挙前の説明会では1文字でも間違っていれば疑問票に回すよう指示していた。それが末端の職員にまで行き届いていなかった」と説明する。
総務省によると、得票が有効か無効かを争ったり、当選者が入れ替わったりするケースは年に数回起こるという。
平成18年9月の沖縄県名護市議選では、1票差で当落を分けた2人が「票の数え間違いがある」と主張。訴訟を経て当選者の1票が無効で2人の得票が同数となったため、公職選挙法に基づき、くじ引きで当選者を決めている。
わずな開票の狂いは候補者の明暗を分けるばかりか、有権者の暮らしにも影響がおよぶ。
同市議会では10日から定例市議会を開き、平成20年度予算案を審議する。だが開会当初、議場にいるのは市選管が「落選」の判断を下した議員ということになる。
その意味では、今回の事態は、民主主義の根幹を揺るがす痛恨事といえるだろう。
(豊田真由美)