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わ鉄トロッコ列車が廃止の危機 検査費を捻出できず

2008.4.10 02:09

 風を肌で感じながら車窓の渓谷美を眺められる珍しい列車として、観光客から人気を集めるわたらせ渓谷鉄道(みどり市大間々町、松島茂社長)のトロッコ列車。運行開始から間もなく10年が経過する同社の「看板列車」が、存廃の岐路に立たされている。赤字経営が続く中、数千万円に上る検査費用の捻出(ねんしゅつ)メドが立たないためだ。同社は今後、沿線自治体などに支援を求めていく方針で、「何としてでも、看板列車を存続させたい」としている。

 同社のトロッコ列車「わたらせ渓谷号」は平成10年10月に、運行が始まった。4〜11月の週末を中心に大間々−足尾駅間を1日1往復しており、19年度の運行回数は計126回。輸送実績は、前年度の2万1073人を上回る3万2162人と好調で、乗車率は平均7割を誇る。

 客車は、中古の通勤電車の窓を外すなどして再利用し、ディーゼル機関車が牽引(けんいん)。鉄道ファンだけでなく、首都圏からも「トロッコ目当て」で観光客が訪れるといい、紅葉シーズンなどには、満席の日が続き、収益率の高い同社の「稼ぎ頭」となっている。

 存廃の危機を迎えたのは、トロッコ客車が21年3月、「全般検査」(全検)と呼ばれる車両検査期限を迎えるため。すべての機器を取り外して行う大掛かりな検査で、検査費用は概算で数千万円と見積もられている。

 全検に代わる方法として、自走式の一般車両(軽快気動車)2両を改造し、全検よりコストを抑える案も検討されているが、定員が現在の180人から80人減り、観光シーズンの対応に懸念があるという。

 もっとも、赤字経営の続く同社にとって、いずれも「逆立ちしても出せない額」(同社総務企画部)で、同社は20年度予算で費用を計上していない。このため、群馬、栃木両県と沿線3市(桐生、みどり、栃木・日光)で構成する同鉄道再生協議会で、自治体の支援を求め、存廃を回避したい考えだ。

 同社は「ディーゼル機関車が客車を引っ張るスタイルは全国でも珍しい。できれば今のトロッコ列車をそのまま存続させたい」としている。

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