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スカイライナー決断の春 2年後全面禁煙、社会の流れに逆らえず 千葉
■愛煙家は嘆き節
成田空港の行き帰りの車両から煙が消える。首都圏の私鉄で唯一の喫煙車両が2年後に全面禁煙になることが明らかになった京成電鉄の特急スカイライナー。ほかの私鉄特急からはすでに煙が“撤去”されている。「喫煙車両があるからスカイライナーを利用していたのに」。愛煙家の嘆きも社会の流れには勝てなかったようだ。(江田隆一、蕎麦谷里志)
9日午後7時前の東京・京成上野駅。ホームには成田空港行きの通勤用スカイライナー「イブニングライナー」が停車していた。先頭車両の1号車は喫煙車。ホームも禁煙とあって、乗り込んだ客は早速紫煙をくゆらせる。
スカイライナーは上野と成田空港を結ぶ有料特急で、8両編成のうち2両で喫煙できる。朝夕は通勤用の「モーニングライナー」「イブニングライナー」としても運行され、空港利用者のほか、喫煙サラリーマンに人気がある。今回の全面禁煙は平成22年度に喫煙車のない新型車両に切り替わるのがきっかけだ。
イブニングライナーの1号車で一服していた女性会社員(26)は「たばこが吸えるから特急券を買ってまで通勤に使っている」と残念そう。台湾に行くという栃木県の男性会社員は(59)は「喫煙できるから京成を使っていたのに。禁煙になったら仕方ないから我慢する」とあきらめ顔だった。
2年後に切り替わる新型車両に灰皿はない。スピードは早くなり、北総線を経由し、51分だった日暮里駅−空港第2ビル駅が36分に短縮される。
≪分煙が基本スタンス≫
首都圏の大手私鉄では西武鉄道の特急「レッドアロー」が平成18年10月、東武鉄道の特急「スペーシア」と小田急電鉄の特急「ロマンスカー」が昨年3月に相次いで喫煙車両を廃止した。京浜急行電鉄の「ウィング号」は4年の導入時から全面禁煙だという。
各社とも15年5月に施行された健康増進法や健康意識の高まりを理由に挙げており、喫煙車両廃止による大きなトラブルもなかったようだ。
小田急電鉄が喫煙車両の廃止前に実施したアンケートでは、「現状維持」を求めた人が14%だったのに対し、「全面禁煙」派が72%と大きく上回った。「喫煙車両から流れ出る煙などに対する苦情も多かった」と同社広報。西武鉄道も「指定席が喫煙席しか残っていないため、やむなく喫煙車両に乗るお客さまもいた」と話す。
JRも東日本は昨年3月までに「カシオペア」や「北斗星」など寝台列車を除く全車両を禁煙とした。同社広報は「3年前から利用状況を見ながら段階的に全面禁煙車両を増やしてきた。寝台列車は個室化が進んでおり、今のところ対象外」と話す。
京成スカイライナーが全面禁煙となれば、首都圏に乗り入れる有料特急では、JR東海の東海道新幹線が唯一、喫煙車両を残すことになる。昨年7月にデビューしたばかりのN700系は全席禁煙だが、車内には喫煙ルームが6カ所設置されている。
「新幹線でこれまで5両あった喫煙車両が4両に減るなど、喫煙車両の比率は低くなっている」と同社広報。しかし、「まだ喫煙席を購入する人は多く、ニーズがあるうちは分煙が基本スタンス」としばらくは、愛煙家の“強い味方”となりそうだ。