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【少子化時代】(1)学校が消える
鍵がかかった校舎は傷みが目立ち、グラウンドには雑草が生い茂る。かつて子供の声が響いた校門前の坂道も、人通りはほとんどない。
岡山県最北の旧中和村(現・真庭市)。村でただ一つの中和中学校は平成17年に、約10キロ離れた蒜山中学校に統合された。廃校時の生徒数は15人だった。
「少しでも大きな学校に通う方が、子供にとってはいいんだよ。学校がなくなって寂しいというより、子供がいないんだから仕方ない、という思いが勝る」。中和中学校の卒業生の男性は、そうつぶやいた。旧中和村の生徒は現在、スクールバスで蒜山中学校に通っている。
この旧中和中学校と、蒜山中学校のほとんどの卒業生が通う岡山県立蒜山高校。周囲にはゲームセンターやカラオケどころかコンビニすらない。その「蒜山三座」と呼ばれる雄大な山のふもとの高校で今月、文化祭が開かれた。
おしゃれにも気をつかう、どこにでもいる高校生が、体育館のステージで、学年ごとにダンスや歌を披露していく。手作り感いっぱいの文化祭。ただ、体育館に集まった生徒は100人。これで全校生徒だ。
この4月に赴任した鳥取哲郎校長は「すれていない。素直で、とてもいい生徒ばかりだ」と目を細めながらも、「数のパワーというか、活力が不足するのは致し方ない」と話す。
同校の定員は180人だが、ここ数年は定員割れが続く。生徒減は部活動を直撃。19年度にはサッカー部が部員ゼロで廃部になった。
学校側は志願者を一人でも増やそうと、努力を続けている。蒜山中学校と連携し、教員の相互交流を進める。部活動も中学、高校が一緒になって取り組んでいる。学習面でも、19年度から土曜日の補習を始めた。「教員総動員で、生徒の学力アップに努める」(鳥取校長)。
蒜山高校では今秋から、同じ真庭市内の中学生を対象にオープンスクールを実施。休日ではなく、平日の普段の授業を公開しようという試みは、県内でも初めてだ。
鳥取校長は「学校に来てもらい、見て感じてもらうのが、一番のアピールだと思う。生徒募集につながればいいのだが」と期待をかける。
しかし、県教委は今年8月、蒜山高校を含む真庭市内の県立4高校について「20年度以降は、4校で計100人以上の欠員が予想され、現在の4校体制の維持は困難」として、再編を打ち出した。本年度中に各校とプロジェクトチームを作り、協議に入る。
再編の中身は今後定まっていくが、「定員割れ」が続く蒜山高校の存続はきわめて困難だ。鳥取校長も「地域も含め、存続を願う声が多いのも分かっているが、来るべきものが来た、という感じだ」と、再編については多くを語らない。
県教委によると、真庭地域の中学卒業者数は14年度で681人いたが、19年度は508人。今後もさらに減少傾向が続き、25年度には414人にまで減ると推計されている。
子供の数が減れば、学校の再編・統合は免れない。岡山県内だけでも平成10年に630校(分校のぞく)だった小・中学校は、18年には603校にまで減少した。中・四国地方でも、学校消滅は、山間部や島嶼(とうしょ)部を中心に“現在進行形”の問題なのだ。
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歯止めがかからない少子化が、子供が通う学校や塾など教育現場に大きな影響を及ぼしている。子供の数が右肩下りとなるなか、中・四国地方の学校や教育産業はどう対処しようとしているのか。その課題や取り組みを探る。
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出生数 日本で1年間に生まれた赤ん坊は第1次ベビーブームの昭和24年に 269万7000人、第2次ベビーブームの昭和48年が 209万2000人。その後、減少傾向が続いており、平成16年は 111万1000人にまで落ち込んでいる。1人の女性が生涯に生む子供の数を推計した合計特殊出生率も、昭和22年の4.54から平成16年は1.29にまで低下している。