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【失踪から25年】(下)最大根拠のDNAも疑問 山梨

2009.6.19 02:27

 「DNA以外に一致はなく、(山形県の遺体とは)別人だと判断せざるを得ない」。山梨県警から回答書が示された6月4日、会見した特定失踪(しっそう)者問題調査会の荒木和博代表はこう憤った。

 県警が最大の根拠とするDNA鑑定。一卵性双生児の森本美砂さんの血液と、約20年前に見つかった山形県の遺体骨髄を名古屋大で鑑定し、一致したとする。

 採血をめぐり支援者らに不信感がある。美砂さんの父親が入院中だった病院で県警に採血された美砂さんは「今後の捜査に必要といわれただけ」。「鑑定を実施すると家族にも伝えた」とする回答書と食い違う。

 また回答書では、「捜査中の事案で鑑定書は渡せない」、鑑定試料の骨髄を使い切った疑問点にも「残らないことはあり、鑑定結果の信頼性は損なわれない」などと記すにとどまった。

 ただ美砂さんらはすでに平成16年、監察医の権威、上野正彦元東京都監察医務院長を訪れ、「遺留品、身体特徴が一致していない。DNA鑑定の結果一つだけで個人の特定はできない」との見解を得ていた。

 14年9月に北朝鮮が拉致を認め、日本国内が卑劣な行為に憤った時代に行われた“死亡発表”。荒木代表は「特定失踪者が急増し、日朝交渉が難しくなっていた」と背景を指摘しつつ、「DNA鑑定は捏造(ねつぞう)とみられ、国会への質問主意書の提出などで対応したい」と話した。

 一方、県警は「ノーコメント」と口を閉ざす。県内女性が突然失踪し、土地勘のない新潟県にバッグが残された事件は、もはや県内で解明できないのか。(花岡文也が担当しました)

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