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【この1年】山梨 法の番人が…ストーカー判事逮捕
今年も残すところあと4日。「100年に1度」といわれた大不況は地方経済も襲い、新潟、長野、山梨の甲信越3県でも深刻な雇用不安が覆った。悲喜こもごもの重大ニュースを通じて、各県の「この1年」を振り返った。まずは山梨から。
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女性へのストーカー規制法違反容疑で、宇都宮地裁の下山芳晴判事(55)が5月、山梨県警に逮捕された。甲府地裁で有罪判決を受け、12月末の国会の弾劾裁判で罷免が決まった。“法の番人”の犯行は甲府地家裁都留支部の支部長だった2、3月に行われた。「ストーカー判事」は、あきれるニュースが相次いだ県内の1年間を象徴する事件ともなった。
「もうお風呂入った?」「県警本部に何しに行ったのかなぁ」−。下山元判事は2月中旬から1カ月間、20代の女性裁判所職員の携帯電話に、女性の行動を監視するような匿名のメールを16回送信した。
逮捕前には、知り合いの警察庁幹部に「部下が迷惑メールで困っている」と連絡。県警本部長に直接、話を伝えたほか、女性に県警に相談するよう勧めたという。“自作自演”で女性の気を引き、犯行を隠す狙いもあったとみられている。
同罪で起訴後、2度目の請求で甲府地裁から保釈が認められた。8月上旬の同地裁の判決で懲役6月、執行猶予2年(求刑懲役6月)が言い渡されたが、ここでも報道陣に無言を貫いた。
12月には国会の裁判官弾劾裁判所に舞台が移り、3日の初公判では訴追事実について「すべて事実です」と認めた。24日の判決で、判事としては戦後6人目となる罷免が言い渡された。
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■「怒」の事件多し
「ストーカー判事」以外にも、県内では怒りを覚える事件が相次いだ。
記憶に新しいのは10月、結婚式を予約していたホテルに放火した男の逮捕だった。現住建造物等放火容疑で県警北杜署に逮捕された昭和町の会社員、河田達彦容疑者=当時(39)=には、式を挙げる予定の女性とは別にれっきとした妻がいたことが判明した。
「結婚できない事情があり、火をつければ式が中止になると思った」
未明のホテル放火で、宿泊客のうち約150人が避難する騒ぎになった。
また、県警は7月、学校のトイレに盗撮用カメラを設置したとして、市立中学校教諭、川崎剛仁容疑者=当時(46)=を逮捕。9月には、酒酔い運転で物損事故も起こしたとして、県立韮崎高校教諭、浅川和重容疑者=当時(47)=を逮捕した。教諭の犯罪は公務員全体の中で目立っており、その後、2人とも懲戒免職となった。
全国で大学生の大麻使用問題が相次いだが、10月には県立高校1年生の2人がそれぞれ大麻の所持と譲渡幇助(ほうじょ)の疑いで書類送検された。
一方、選挙に勝つためなら手段を選ばない“甲州選挙”はなおも健在。平成19年7月の参院選で違法ビラを配ったとして、臼井成夫県議=甲府市選挙区、自民=が3月、甲府簡裁から公民権停止3年の略式命令を受けて失職。県議選(19年4月)での陣営幹部の現金買収に関連し、連座制適用の有無を最高裁まで争った鷹野一雄県議=中央市・中巨摩郡選挙区、民主系=も11月に失職した。県議選当選者38人のうち辞職や失職した県議はこれで3人となった。
2年前に職員2人が計約2億円を着服した山梨県民信用組合では、10月以降に新たに職員4人の着服が発覚。管理態勢が改めて問われることになった。特に幹部職員2人による着服は実損額だけで計約1億7000万円に上るとしており、捜査機関による解明が待たれることになった。
12月に県警は、顔見知りの高齢者宅に侵入し現金1万円を盗んだとして、南アルプス市職員、腰淳一郎容疑者=当時(41)=を逮捕。市の調査で、同容疑者には担当していた生活保護費の着服疑惑も浮上し、なさけない事件が多かった県内犯罪の最後を飾った。
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■「喜」の出来事も
県内では喜ばしい出来事も多かった。
甲府市の市立甲府東中学出身の宇宙飛行士、土井隆雄さんが搭乗したアメリカのスペースシャトル「エンデバー」の打ち上げ成功を祈り、3月を中心にさまざまなイベントが行われた。応援歌「星つむぎの歌」が公募した1行詩をつないで作られ、歌手の平原綾香さんの歌声が、宇宙に滞在中の土井さんに届けられた。
同じく3月には、山梨大学が申請した燃料電池プロジェクトが、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業に採択された。7年間で総額約70億円という大事業だ。水素と酸素を反応させて電気エネルギーを生み出す、次世代の燃料電池車の開発に、県内外から期待が寄せられている。
4月には、JR各社と県が3カ月間行う大型観光イベント「山梨デスティネーションキャンペーン」がスタート。JRは、県内で38年ぶりにお目見えする蒸気機関車(SL)やモモの花を鑑賞する列車を走らせ、観光機運を盛り上げた。平成19年度中に放映されたNHK大河ドラマ「風林火山」の影響で観光客は増加していたが、ほぼ同様の集客効果をもたらした。
6月末からは、全県のスーパーなどでほぼ一斉にレジ袋を有料化する「ノーレジ袋」の取り組みがスタート。県全域での取り組みはは、富山県に次いで全国2番目で、県内ではマイバッグの持参率が約85%にも上昇、レジ袋を作る石油原料が節約される仕組みだ。
景気に左右されないのが富士山人気だ。環境省のまとめで、静岡県側を含めた7、8月の富士登山者数は30万5350人と、昨年より7万3000人も増えた。11月上旬には、静岡県側も含めた富士山周辺13市町村で、「富士山ナンバー」の交付が始まった。
山梨、静岡両県が平成23年度に目指す、富士山の世界文化遺産登録に向けても進展があった。文化庁が必要性を唱えたが、規制強化の懸念から地元に反対意見のあった「富士五湖」の構成資産入りが、約1年がかりで11月に解決。審査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)は年々、遺産登録数を減らし厳格化させており、新年は両県のさらに一丸となった活動が展開される見通しとなった。