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「サイエンスカフェにいがた」で気軽に科学者とお茶を

2008.4.18 02:25

 お茶を飲みながら、科学について語り合いませんか−。科学の専門家と市民が喫茶店などで気軽に語り合うサイエンスカフェが全国に広がっている。甲信越では新潟県で昨年8月に「サイエンスカフェにいがた」が発足。山梨県では昨年11月、山梨大の大学院生を中心にサイエンスカフェを主催するグループ「サイエンスチェスト」が結成された。街中にできた科学の入り口はどんなところか探ってみた。(油原聡子)

 「水に声をかけるときれいな結晶ができる?」「温暖化で北極の氷が溶けると海面は上昇する?」サイエンスカフェでは参加した市民からの素朴な質問が飛び出す。

 昨年11月に発足したサイエンスチェストの運営メンバーで、この春、理系の大学院を修了した河西あゆみさん(27)は「研究者と市民の距離を近づけたかったんです。科学の情報はまだ少ない。カフェで科学を楽しんで、次の行動のきっかけになってくれれば」と期待する。

 発足以来、山梨大構内のフリースペースを利用し、大学院生活の紹介やバイオディーゼルなどを取り上げたカフェを2カ月に1回、開催してきた。宇宙飛行士の土井隆雄さんが国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していたときには、ISSの観測会を開くなどカフェ以外でも活動の場を広げつつある。カフェ参加後、運営メンバーになった高校1年生、栗原一貴君(15)は「教科書に載っていない話が聞ける。科学が好きなので学校だけじゃ足りなかった」とカフェの魅力を説明する。

 イギリスで発祥したとされるサイエンスカフェ。研究者と市民が対等に語り合い、専門家以外はよくわからないというイメージだった科学への関心や理解を高めてもらうのが目的だ。

 日本では、科学誌の廃刊や子供の理科離れなど科学への関心低下を背景に、科学技術振興のひとつとして17年ごろから研究者や大学関係者を中心に各地でサイエンスカフェが誕生。今ではほとんどの都道府県にサイエンスカフェを主催するグループが生まれた。

 「双方向コミュニケーション」が特徴のため、20〜40人規模で、平日夜や週末に喫茶店やフリースペースなどで行われ、一般参加者が気軽に話せるような雰囲気作りのため、飲み物やお菓子を食べながら語り合う。取り上げられるテーマは温暖化や遺伝子など話題のものから、科学史など専門的なものまで多岐にわたる。

 国立天文台による「アストロノミーパブ」や、企業や病院によるサイエンスカフェなど多彩なカフェが誕生しているが、研究者のメリットは何なのか。先月末、都内で開催された日本海洋学会主催のカフェでゲスト研究者を務めたカナダ漁業海洋省海洋科学研究所の川合美千代さん(34)は「研究者ではなく一般の人が興味を持ってくれて、やりがいを感じた」と話し、参加者とのコミュニケーションで刺激を受けたことを明かす。

 全国的な認知度はまだ低く、ゲスト研究者や開催場所の確保など課題は多いが、サイエンスカフェの企画・運営を行うスペースタイム(北海道)の中村景子(47)さんは「講演会やシンポジウムと違い、双方向コミュニケーション効果を持つサイエンスカフェの手法は今後、広がっていくのではないか」と予測する。科学へ触れる最初の1歩としてサイエンスカフェへの期待は高い。

                   ◇

 14日から20日までは科学技術週間。全国でサイエンスカフェなど科学技術イベントが行われいてる。

 ■サイエンスカフェにいがた第9回カフェ「炭素という奇跡〜有機化合物の織りなす身近で不思議な世界〜 19日午後3時から、新潟市のジュンク堂書店新潟店地下1階で。分子の世界を紹介するホームページ「有機化学美術館」の館長、佐藤健太郎氏がゲスト。炭素の世界を折り紙やCGを使ってわかりやすく紹介する。飲み物代として参加費400円が必要。申し込み、問い合わせは同店(電)025・374・4411。

 ※全国のサイエンスカフェ情報は、「サイエンスカフェ・ポータル」http://cafesci−portal.seesaa.net/で。

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