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静岡市も「ご当地検定」 行政主体…まず「地場産業」
「静岡県内を大阪方面に向かう新幹線で、左側の車窓から富士山が見える場所があるか」−。静岡市が来年から、地元の地理歴史や産業などの知識を問う「静岡学検定」を実施する。“ご当地検定”は地域振興策として全国的なブームだが、行政主体は少ない。小嶋善吉市長は「行政がやることで格がつく。静岡を多くの人に知ってもらいたい」と効果を期待する。(福田涼太郎)
検定試験は選択方式の100題程度。静岡市内に関する出題で、毎年の試験ごとにテーマが設定されるのが特徴だ。
第1回となる来年度のテーマは「地場産業」。全国トップクラスの企業が本社や生産拠点を構えるプラモデルや缶詰製造業から静岡建具などの伝統産業まで24業種から出題される。例題としては「昭和35年に静岡缶詰協会のテレビCMソングを歌っていた歌手は誰か」「県指定の郷土工芸品19品目のうち静岡市内のものは何品目か」など。
市は「静岡市にはいいものがあるのに、市民でさえ知らない人が多い。『なぜいいものなのか』まで知ってほしい」と、知識と理解を深めてもらうことを目標に据える。
ご当地検定は各地の商工会議所の主催が多い。日本商工会議所が把握している範囲で「全国で130を超える」。中には「静岡おでん検定」(静岡県)「ナマハゲ伝導士認定試験」(秋田県)など、特定の事物のうんちくを問う検定もある。
検定には純粋に「地元を知る」以外にも、全国から受験者や関心のある人が訪れ、交流できるメリットがある。静岡市も「市民に静岡のいいところを再認識してもらい、興味を持った県外の人もたくさんきてくれれば」と期待する。
また、企業や学校が採用や評価の参考にする場合もあり、受験者数が2万人を超える京都・観光文化検定(京都商工会議所主催)では、1級合格者は京都産業大学の特別客員研究員になる資格が得られる。
一方、静岡市に先駆け、自治体として17年度から検定を実施している岐阜市は「広範囲で出題する側も理解しきれず、(出題範囲となる)テキストや問題自体にも訂正が多かった」と課題を指摘。自治体主催では設問に名物店の名称を出せないなど「の限界を感じる」(岐阜市)という。しかし、岐阜市民には「地元を愛する人が増えた」と好評。合格者はボランティアガイドとして30人ほどが活躍中だ。
静岡市も合格者に対して、ボランティアガイドへの起用や観光パンフレット作製への協力を検討。来年1月25日の第1回試験から3年間で、受験者数1000人規模を目指す。
徳川幕府に関する知識などを問う「しずおか検定」を今年度に実施した同市の市民団体「静岡駿府歴史楽会」の西谷祐一さん(59)は「新しい行政の形として、一過性でなく、継続的に実施し、静岡を全国に発信してほしい」と期待を寄せる。