MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。
[PR]

【この一年】新潟 トキ、27年ぶり佐渡の空舞う

2008.12.31 02:08

 9月25日、新潟県佐渡島で野生復帰訓練を積んできたトキ10羽が試験放鳥され、27年ぶりに日本の空を舞った。このうち1羽は1カ月後、本土に渡って“一人旅”を続けており、1羽は動物に襲われて死んだ。雪が降り積もり、餌が不足する冬をどう乗り切るか、トキにとって今が正念場だ。師走に入って雇用不安が急速に高まり、人間社会も厳しい寒風が吹きつける昨今だが、生命力をかけて奮闘を続けるニッポニア・ニッポン(トキの学名)のように、必ず“春”が来ると信じて、強くしたたかに生き抜いていきたいものだ。

 江戸時代までは日本のいたるところで見られた鳥、トキ。日本の空から消えて27年がたった今年9月25日、10羽のトキが、秋篠宮ご夫妻をはじめとする関係者の手で空に放たれた。木箱から飛び立ったトキは大勢の人に驚いたのか、懸命に羽ばたきながら、散り散りに山へ飛び去った。トキの野生復帰に向けた、記念すべき第一歩だった。

 10羽には固体番号がつけられ、判別のため翼を着色し、足環を取り付けている。放鳥直後から、固体番号10番(2歳の雄)は背中に背負った送信機からのデータが受信できず、所在不明となったまま。11月8日には約100キロ離れた本土の関川村で、3番(3歳の雌)が見つかり、関係者を驚かせた。その後、3番は新潟市秋葉区、見附市と南下を続けている。

 12月9日、9番(2歳の雄)と行動を共にしていた15番(1歳の雌)が佐渡市の加茂湖周辺で野鳥に襲われ、負傷したのを本紙の大山文兄カメラマンがスクープ。14日に両津地区の杉林で散乱した15番の羽根と肉がほとんどない骨の一部が見つかる。想定していたとはいえ、自然の厳しさをまざまざと見せつけられた。

 環境省のトキ野生復帰専門家会合は8日、餌が不足する冬季も原則として給餌をしない方針を決定。これに対し、トキの死に直面した県民から「非情だ」との声が高まり、泉田裕彦知事と高野宏一郎佐渡市長が16日、斉藤鉄夫環境相に方針の再考を求める異例の要望書を提出した。給餌をめぐる論争は今も続いている。

 佐渡島にいる7羽は小佐渡東部と南部で、ほぼ決まったねぐらや餌場を利用。雄雌2羽が一緒に飛ぶ姿も目撃されており、春の繁殖期に向けて期待が高まる。来年の2次放鳥に向けた野生順化訓練も24日、佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの順化ケージで始まった。

 果たして何羽が厳冬を乗り越え、歓喜の春を迎えられるのか。モニタリングチームは、かたずをのんで見守っている。

                 □    □

 9月、上越市、長岡市、新潟市江南区で立て続けに殺人事件が3件発生した。いずれも犯人は年内に逮捕されたが、長男が高齢の母親を殴殺したり、義弟が左半身不随の兄を刃物でメッタ刺しにしたりと、陰惨な犯行は地域社会に衝撃を与えた。

 全国と同様に振り込め詐欺被害も急増、被害額は5億円を超えた。県警捜査2課と新発田署は10月9日、全国で組織的に振り込め詐欺を繰り返していた東京の2グループ計8人を逮捕し、異例の捜査本部を設置。事件の全容解明に全力を挙げている。

 昨年の中越沖地震に続いて災害も発生した。2月23日から24日にかけ、強風や高波が県内を襲い、佐渡島を中心に13人が重軽傷を負い、漁港の防波堤が損壊、被害額は228億円に上った。9月21日には、新潟沖の日本海で釣り客ら10人が乗った遊漁船が沈没、船長ら3人が死ぬ悲惨な事故もあった。

 食の不祥事が全国で続発する中、県内でも9月16日、長岡市のでんぷん製造会社「島田化学工業」が、工業用のりに使途が限定された事故米を食用でんぷんの原料に使っていたことが明らかになり、廃業に追い込まれた。新潟市では過当競争のあおりを受け、10月から11月にかけ、老舗の「新潟相互タクシー」と「新潟タクシー」が相次いで倒産した。

 師走に入って著名人の訃報(ふほう)も続いた。疎開先の新潟市で少年時代を過ごした作曲家の遠藤実さんは6日、76歳で亡くなった。十日町の土に惚(ほ)れ込み東京から移住、妻有(つまり)焼の生みの親となった陶芸家の吉田明さんも5日、60歳で急逝した。10月に「妻有焼陶芸センター」が完成し、これからというときだった。

                 □    □

 任期満了に伴う知事選は10月19日投開票され、現職の泉田裕彦氏が、共産推薦の新人を大差で破り、再選を果たした。2期目の県政は240万人を割った人口減問題や医師不足、急速に高まる雇用不安など難題が山積しており、泉田知事の真価が問われる。

 5月11〜13日、政令指定都市移行2年目を迎えた新潟市で、主要国首脳会議(サミット)の労働相会議が開かれ、「格差問題」を中心に議論した。雇用不安が高まる中、労働サミットの成果を生かし、新潟から「人にも環境にも優しい働き方」を発信していく役割が期待されている。

 9月6、7日には天皇、皇后両陛下のご臨席の下で「第28回全国豊かな海づくり大会」が新潟市で開かれ、両陛下は県民との交流を深められた。

 全日空が廃止を検討していた新潟−福岡線は4〜9月の平均搭乗率が存続条件の70%を上回ったため、来春以降の運航継続が決定、関係者は胸をなで下ろした。

 ハクチョウの飛来地として知られる瓢湖(阿賀野市)は10月30日、国際的に重要な湿地や湖沼を保全するラムサール条約に登録された。県内では佐潟(新潟市西区)、尾瀬(魚沼市)に続いて3カ所目となった。

[PR]
[PR]
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。