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振り込め詐欺、被害止まらず 危機感のなさ原因 新潟

2008.11.18 03:04

 振り込め詐欺の被害が止まらない。新潟県では10月末現在、354件発生し、被害額は前年同期比45%増の4億9700万円に上る。振り込め詐欺救済法が施行されたが、次々に新しい詐欺の手口が登場するため、対応は後手に回りがち。専門家は、振り込め詐欺の拡大について「人々の危機感のなさが大きな原因」と指摘する。あなたは「自分だけは大丈夫」と思っていませんか?(高木克聡)

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 警察庁は10月を振り込め詐欺取り締まり強化月間に指定、全国の県警でも被害防止を積極的に呼びかけた。その矢先の同9日、新潟県警は全国で振り込め詐欺を繰り返していたとして、関連する2グループ計8人を逮捕。異例の捜査本部を設置し、グループの全容解明に全力を注いでいる。詐欺グループによる被害は全国で、新潟県内の被害とほぼ同額の約5億円に上るとみられている。

 振り込め詐欺は、親族のふりをするオレオレ詐欺や融資のための保証金を預かるとだます融資保証金詐欺など多岐にわたる。近年では、被害者に現金を郵送させたり、犯行グループの1人が直接集金にやってくるなど、“振り込め”詐欺とは呼べないような手口もある。

 世相に敏感に反応し、手口を変えてくるのも振り込め詐欺の特徴だ。平成16年に社会保険庁の保険料の過払い問題が報道されると、保険料を還付すると偽る還付金詐欺が急増。世界的な金融危機や円高を背景に、株式投資や為替取引で失敗したかのように装う手口も増えている。県警犯罪抑止総合対策室は「定額給付金の支給が正式に決定されれば、還付金詐欺のように狙われるのでは−」と警戒を強める。

 今年6月から振り込め詐欺救済法が施行され、犯罪に使われたと認定されて凍結された口座から、被害金が返還される制度の運用が始まった。新潟県司法書士会が振り込め詐欺被害金取り戻し110番を開設したところ、1日で約30件の相談が寄せられたが、預金保険機構に凍結されていた口座と一致したのは約10人。同会によると、うち1人に300万円を振り込んだ口座に残された60万円がかろうじて返還される見通しという。

 振り込め詐欺犯には、口座から現金を引き出す、“出し子”と呼ばれる専門グループも組織され、主犯が現金をおろしにくるとはかぎらない。そのため、県司法書士会の岩野秀人副会長は「犯行に使われた口座は凍結しても、現金はほとんど残っていない」という。

 こうした中で、被害者の職場まで出向いて説得し、500万円の振り込め詐欺被害を未然に防いだとして、大光銀行津川支店の長橋操支店長(56)と窓口担当の鈴木敏子さん(34)が、県警本部長から表彰された。一歩踏み込んだ対応が被害防止につながった。

 とはいえ、振り込め詐欺から身を守るのは、結局は自分−。そう指摘するのは、社会心理学を研究している静岡県立大看護学部の西田公昭准教授(48)。

 振り込め詐欺の被害にあう心理を西田准教授は「犯人は銀行が閉まる直前に電話してくるなど、制約を設けて被害者を追いつめ、正常な判断ができないようにする。被害者は思考が止まり、振り込むことしか考えられなくなる」と分析。被害者のほとんどは振り込め詐欺について知っていたが、「知るだけではだめ。自分は大丈夫という油断が被害につながる。日頃から防犯訓練をし、誰かに相談できるようにする必要がある。家族といっしょに振り込め詐欺の対策マニュアルを作ることも有効」とアドバイスする。

 続発する振り込め詐欺被害を避けるには、日頃から家族や近隣住民などとコミュニケーションをとることも重要な鍵。家族と離れて暮らす人は早速、連絡をとってみてはいかがだろうか。

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