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献血でランチ代節約!? 新潟市のルーム事情
食べ放題のお菓子やドリンク、マンガを読みふける若者たち−。一見してマンガ喫茶と錯覚してしまいそうな快適空間。それが今風の献血ルームの“スタイル”だ。全国各地でこうしたサービスの充実が図られる中、新潟市ではホットドッグなどを期間限定で提供し始めた。全国でも珍しく、懐の寒い会社員などには昼食代を節約できるとあって好評の模様。進化する献血ルーム事情を追った。(花房壮)
「企業や役所の人事異動などで忙しい年度初めは、1年で最も献血量が確保しにくい時期。1人でも多くの献血者に来てほしい」
新潟市中央区万代の献血ルーム「ゆとりろ」。県赤十字血液センターの福崎満夫・渉外二係長は、7日からスタートした採血後にホットドッグなどの軽食を提供する平日午前限定のキャンペーン(6月末まで)に期待を込める。
初日に同ルームを訪れた献血歴60回以上という五泉市の自営業の男性(47)は「昼のご飯代が浮いた」とにっこり。新潟市の無職の女性も「今度は友人を誘ってきたい」と“ニンジン作戦”の滑り出しは順調のようだ。
ただ、献血者の増加に直結するかは未知数。試験的に実施した昨年10〜12月のキャンペーン実績は、前年度同期比16%アップしたが「期間全体で新規献血者はそれほど伸びていない」と同ルームは冷静にみる。
新規献血者の確保と血液の適正在庫の維持に向け、各地の献血ルームが予算内でサービス向上に努めるのは時代の流れかもしれない。だが、平成15年7月施行の新血液法で「有料採血の禁止」が明確化され、血液の対価と疑われるような物品提供は戒められている。実際に図書券やテレホンカードの提供は中止になった。「ゆとりろ」の軽食や東京都内の一部の献血ルームでのハンバーガーの提供は「法的にはギリギリの線」(日赤関係者)との見方もあり、日赤献血推進課も「全国各地でエスカレートしないよう監視、調査したい」とのスタンスだ。
とはいえ、現場サイドでは、献血量が確保しづらい時期には「生死のかかった患者に迷惑をかけないためにも、多くの献血者に来てもらうために、サービス内容を高めざるえない」といった本音も漏れる。
記念品提供などにかかる金額は「1人当たり500円程度以内」(日赤献血推進課)とされ、その範囲で今後も献血者確保に向けた対策が各地で練られる。一方、日赤は少子高齢時代の到来をにらみ、受け入れ態勢のあり方を見直すプロジェクトを近々に立ち上げるという。
サービス向上が年々図られる献血ルーム。その小窓を凝視すれば、献血行為を支える人々の善意が年々損なわれている世相が浮かんでくる。やはり、献血の基本は社会貢献への意志であり、サービスの優劣は二の次。興味のある人よ、まずは一歩踏みだそう。