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越後平野が世界遺産? 新潟市、唐突PR “二番煎じ”芸術祭も物議

2007.12.21 03:14

 政令市・新潟市の篠田昭市長が、新潟国体の平成21年に合わせ、「水と土の芸術祭(仮称)」開催と、越後平野の「水と土」を巡る文化の世界遺産登録へのアピールを打ち出し、ちょっとした物議を醸している。「水と土の芸術祭」は、すでに十日町市で3年に1度開いている「大地の芸術祭」の“新潟版”。世界遺産への名乗りでは、すでに「佐渡金銀山」が文化庁に申請中。市民からは「芸術祭は二番せんじにならないか」「越後平野のどこが世界遺産にふさわしいの?」など、疑問の声が上がっている。(原圭介)

 新潟市が打ち出した計画では、「水と土−」は21年7月〜22年2月に、市内全域での美術作品展示▽市美術館での作品展▽港や川を利用した「舟運プロジェクト」▽シンポジウム−を行う。

 篠田市長は「新潟は信濃川、阿賀野川と猛烈に戦ってきた歴史がある。その水と土の文化を全国、世界に発信したい」と意気込み、「大地の芸術祭同様、野外にアートを展示するトリエンナーレ(3年に1度開かれる国際美術展覧会)にしたい」と発表した。予算規模については「億単位だが、あまり多くならないようにしたい」と述べ、既存イベントと連動して支出を数億円程度に抑える方針を示した。

 総合プロデューサーは、「大地の−」と同じ北川フラム・新潟市美術館長。21年には4度目の「大地の−」も開かれ、連動する。

 北川館長は2つの芸術祭の違いについて「山と平地という舞台が違うし、新潟では美術館での大展示や港、川、伝統行事などを取り込むのが違う」と説明するが、「大地の−」を超えた斬新さはもう一つ。

 市シティプロモーション推進課は来年夏に全体の枠組みや事業内容、参加団体を決定。成功に向け、入場者数など目標値も設定することにしている。

 一方、篠田市長が芸術祭とともにぶち上げた世界遺産登録の構想では、さらに厳しい見方が大勢だ。まずは文化庁の見解。「登録には、世界的に顕著で普遍的な価値が必要。世界的にもたくさんある農業文化の中で、特殊で、しかも景観上の魅力があり、何より、地域で残そうという合意がなされていることが最低条件」(文化財部記念物課)とする。

 農業文化で世界遺産登録された例にはフィリピンの「コルディリェーラ棚田群」があるが、特殊性、景観、保存の意思の3拍子がそろっている。

 同庁は昨年度から世界遺産での公募を開始し、ユネスコの暫定リストに推薦するものを絞り込んでいる。しかし、来年度に3度目の公募があるかは未定。新潟県からの「佐渡金銀山」を含む33件が申請済みで、来年度の文化審議会特別委員会では、この33件をどう処遇するかから論議されるもよう。世界各国での申請は1000件規模に上る。現在、すでに851件という世界遺産。登録への門は、年々狭さを増している。

 新潟県世界遺産登録推進室も楽観的ではない。「佐渡金銀山」については、同庁から石見銀山との比較や世界史への影響、構成遺産の再発掘などを求められ、19日に申請し直した。

 同推進室は、佐渡金銀山が、すでに関連施設7カ所が国の史跡に指定されていることを挙げ、「越後平野については、今のところ国指定の史跡など保護の網がかけられたものがない。まず、こうした指定を受けることから積み上げていかなければ難しい」と指摘し、世界遺産登録へは10〜20年のスパンが必要との見通しを示した。

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