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新潟清酒達人検定 日本酒のイメージアップ期待

2007.11.17 04:04

 全国的な「ご当地検定」ブームの中、新潟県で来春、新たな検定が誕生する。その名は「新潟清酒達人検定」。消費量が低迷する日本酒のイメージアップを図るのが狙いで、うんちく好きな県内外の日本酒党などによる大量の腕試しが期待されている。だが、全国には受験者数が減少したり、実際に中止に追い込まれる検定も出始めているだけに、一過性の“お祭り”に終わらせないための工夫も必要だ。(花房壮)

 「焼酎ブームは終わったといわれているが、実際はまだまだ人気は根強い。その一方で、県内での日本酒人気は低迷したままだ」

 県酒造組合幹部は全国有数の“酒処”で加速する日本酒離れに強い危機感を募らせる。

 県内の成人1人当たりの清酒消費量は平成17年度は全国トップの18・3リットルと他県を引き離しているが、県内の焼酎消費量も8・3リットルと追い上げモードだ。県酒造組合などは2年前から、県内の日本酒の魅力を語るニューリーダーの育成を図ろうと、検定制度導入の検討を開始。全体計画の策定などに手間取って当初の予定より数カ月ずれ込んだが、何とか今月末までにテキストを完成させ、来年3月16日に第1回検定を実施する方針を決めた。

 初回は受験者の間口を広げるため、“入門編”の3級レベルと位置づけ、新潟県内の清酒の製造方法、酒蔵事情、おいしい飲み方などを択一のマークシート方式で出題し、約7割の正解率で合格とする予定。県酒造組合では「今後は1、2級など難易度の高い問題も作成していきたい」と意気込んでいる。

 受験者数は今年3月に初めて実施された「新潟市観光・文化検定」の2707人を意識してか、全国のご当地検定の中でも上位に相当する約2000人を見込んでいる。

 日本屈指の酒処での達人検定とはいえ、受験者を安定的に獲得し、新潟の日本酒の“PR装置”として維持していくのは、そう簡単ではないようだ。

 清酒検定の先行事例としては、“清酒発祥の地”兵庫県伊丹市で昨年10月に始まった伊丹商工会議所主催「いたみ学検定試験」(清酒検定)がある。だが、今年10月7日に実施された第2回の検定の受検者数は初回の135人(合格者71人)を大幅に下回る78人(同37人)にとどまり、先行きに早くも暗雲が立ちこめている。

 合格者の上位10人を「いたみ博士」に認定するほか、3000円相当の商品券の贈呈などの特典もあるが、同商工会議所の担当者は「社会で役に立つなど合格後の具体的なメリットが見えにくいことが受験者数の伸び悩みの理由かもしれませんね」と力なく話した。

 ご当地検定の苦戦は全国各地でみられる。「地域検定振興協議会」(東京)によると、ご当地検定は人気の火付け役となった平成16年初開催の「京都・観光文化検定」(京都商工会議所主催)以降、全国的に一気に広がり、今年9月現在で予定も含め約120件に上る。ここ1年は週1件ペースで誕生しているが、一方では周知不足や受験者数が思うように確保できないなどの理由で3件が休止に追い込まれている。受験者数が2000人前後の比較的人気の高い検定でも、2回目は初回を大幅に下回るケースも少なくない。

 こうした現状について、地域検定振興協議会事務局の石黒基国さんは「『他でもやっているのに、なぜ、うちでは開催しないのか』といった議員などの発言がきっかけで、とりあえず、商工会議所などが始めるケースが多い」と安易な横並び意識をチクリと刺す。その上で、検定制度を維持する方策として「誰のための検定なのか、目的を明確にすることや検定合格者が地域で活動できる場を創出することなどが今後の課題となっている」と話す。

 新潟清酒達人検定について、石黒さんは欧米などでの日本酒人気の高まりを背景に、外国人向けの外国語での検定やインターネットによる検定の導入で活用が広がる可能性を指摘する。ご当地検定の新たな成功モデルを構築できるか。来年3月の初開催まで関係者による智恵の集積という“仕込み”が続く。

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